俺は一体? 何処で誰と何をしているのだろう?

神石水亞宮類

第1話 俺は一体? 何処で誰と何をしているのだろう?




俺の記憶が最近、曖昧になる事がある。

例えば? 昨日の晩ご飯は、何を食べたとか?

先まで考えていた事が、一瞬で俺の記憶から消えてしまうのだ。

それでもまだこういう事は、まだマシだった。



・・・そのうち、数十分、数時間、数日と俺の記憶が想い出せない事もあり、

物忘れがだんだん酷くなっていく。

俺の記憶が失われている間に、俺は何処で誰と会って何をしているんだろう?

昨日は、知らない女が俺の部屋のベットで裸で寝ていた。

正直、俺は何も憶えていない!



『“・・・き、君は?”』

『えぇ!? 何も憶えてないの? 昨日、アノ居酒屋で二人で盛り上がって

そのままクラブに行って踊り明かしたじゃない!』

『・・・・・・』

『“あんなに、昨日の夜は盛り上がったのに、今日は何も憶えてないの?』

『・・・あぁ、ごめん、』

『ごめんて! マジで言ってる? 本当、最悪! 私の事、やっぱり

遊びの女ぐらいしか思ってないんでしょ!』

『・・・す、済まない! 何も憶えてないんだ!』

『“憶えてない憶えてないって、ただのいい訳じゃない!”』

『・・・・・・』

『もういいわよ! これっきりにしてあげる!』

『・・・・・・』




見知らぬ女は、玄関のドアを思いきりしめて、俺の部屋を出て行った。


“彼女は一体? 誰だったのだろう。”



そのうち、俺が一人で外を歩いている?

見知らに人によく声をかけられるようになった。



『サトル君? 今日もお店に来るの?』

『“お、お店?”』

『何よ、今日のサトル君、いつものサトル君と少し違うわねぇ~! 

まあいいわ! お店で待ってるから!』

『・・・・・・』



こんな事がしょっちゅう増えていく。

俺は何も憶えていない!

俺の記憶がない時の俺は、何処で誰と何をしてるんだ?

普段俺が友達にならないような奴からも、たまに声をかけられる。

そいつは俺の友達と言うのだが、俺は何も憶えていない!

チンピラ風の若い男だった。



・・・その前は、知らない男2人に絡まれた事がある。

どうやら? 俺が彼らに喧嘩を売ったらしい!

何も憶えていない俺は、彼らに一方的に殴られそれに耐えるしかなかった。

俺は元々、喧嘩など一度もした事がないのだ!

喧嘩の仕方をしらない俺に勝ち目はない。









・・・俺は、こういう事が続いたのもあって脳外科に行く事にした。

俺の中では、“アルツハイマーか? 若年性認知症だと思っていたのだが、”

まさか? 医師が俺に言った言葉に俺は驚いた!



『“森友さん、あなたはどうやら? 二重人格だと思うます!”』

『えぇ!? 二重人格?』

『“あなたは記憶がなくなってるのではなく! もう一人の人格が記憶を

持っている! あなたはもう一人が表に出てる間は眠っているだけです。”』

『・・・で、でも? なんで今! この歳になってもう一人の人格が急に、』

『“最近、強いストレスを感じた事がなかったですか?”』

『えぇ!?』

『ありましたか?』

『あぁ、はい!』

『“それが原因です!”』

『それが原因と言われても、、、。』

『“以前から、あなたの中に別の人格は居たはずです、でも何らかの理由で出て

来れなかったか?” 出ようと人格がしなかっただけかもしれません。』

『・・・はあ、』

『“いや? こういう考え方も出来ます! 出てきていたがあなたが全く気に

していなかった! 所謂、あなたが気づいていなかっただけかも。”』

『・・・そ、そんな、どうしたらいいんですか?』

『先ずは、もう一つのあなたの人格とワタシが話してみましょう!』

『“話す?”』

『“催眠療法です!”』

『そうすれば、俺のもう一人の人格が出て来るという事ですか?』

『まあ、そうなると思うのですが、そうならない場合も、、、。』

『“ならない場合って、どういう事なんですか?”』

『“拒否されるという事です!”』

『俺のもう一人の人格に拒否されるって事ですか?』

『はい!』

『もし? そうなったら、俺はどうなるんですか?』

『“あなたともう一人の人格が共存するしかありません!”』

『共存って?』

『これ以上、私達医師ができる事はないと言う事です!』

『・・・そ、そんな、』

『“先ずは、試すしかありませんね!”』

『・・・あぁ、はい、』




俺は早速! 医師に言われた通り催眠療法を試すことにしたが、

これが! まさかの? 一番恐れていた、もう一人の人格が出て来る

事を拒否したらしい。

俺はもう一人の人格と共存するしかないのか?



『取り合えず、メモだけでも書いてくれないか? 昨日の俺が何処で

何をしているかぐらい俺にも知る権利があるだろう!』

『・・・・・・』



















・・・次の日。

テーブルに一枚の紙が置いてあった。


そこには、、、?

『バーカ! 知らねーよ!』


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俺は一体? 何処で誰と何をしているのだろう? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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