第35話 だっては、だってよ?
凛香さんと過ごした、一夜。
決して、一晩中、カードゲームや音ゲーを一緒にしていた訳では無い。
僕は途中で力尽きそうになったけど、桃香さん特製のドリンクが途中で差し入れられて、強制的に再起動させられて。
「………………………………………凛香さん、初めて、だったんですよね?」
「そうですよ〜。」
「………………………………………それにしては、激しかった、ですよね?」
「ん〜、だってぇ〜、さぁ〜?」
僕の腰の上で、前後左右上下に身体を揺すりながら、チョットだけ恥ずかしそうに悶える、凛香さん。
「ん〜、『だってぇ〜』って、何ですかぁ?」
「だっては、だってよ?何しろ、私達はぁ、一万年も、待ったんですからねぇ、ぅ、ぁ!」
このままだと、きりがないと、思って、一気にケリをつけるために、思いっきり腰を突き出した。
「ヒッ、ぅ、あ、ななな、何をっ、ぁ」
悲鳴のような、叫び声を上げる、凛香さん。
構わずに、強く、激しく、凛香さんの腰を両手で抱えながら突き上げる。
気を使い果たして、グッタリと身体を投げ出すように僕に預けてきた凛香さんを、半ば放り投げるようにベッドに転がして離れて、ふと気配を感じて入口を見ると、桃香さん特製のドリンクをトレイに載せた柚香さんが控えていて。
「………………………………………柚香さん?いつから、そこに、居たんですかぁ?」
「結構前からよ、桃香が差し入れしたすぐ後からかな?」
それって、かなり、怖いんですけど!
全く気配を感じなかった。
「それよりも、早くコレ飲んで!ずう〜っと、待ってたんだからね!!」
ベッドサイドの時計を見ると、まだ夜明け前で。
僕は、朝まで、無事に過ごせるんだろうか?
継母に虐げられて家を追い出された僕が、『危ない彼女』と一緒に幸せを掴むまで じん いちろう @shinn9930
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