第34話 私達よりも強いお方でないと

「………………………………ところで、そちらのエルフさんをまだ紹介してもらってないと思うんだけど?」


「ん〜、そうだったかしら。慌ててたからしてないのね。」


「姉様、私から、自分で。凛香です。宜しくね!」


先程桃香さんと梅香さんを呼びに来た時もそうだったけど、三人の中では一番元気が良さそうだな。

ふと気が付いて、聞いてみる。


「念の為聞くけど、君達何人姉妹なのかな?」


「今すぐ紹介できるのは、あと九人よ。一人だけ万一に備えてコールドスリープに入ってもらってるから。」


「………………………………万一にって?」


「事故や戦乱で命を落とした兄弟姉妹もいましたからね。長命でも不老不死ではありませんから。特に男性は皆、早い段階で死に絶えてしまいまして。」


「…………………………てことは、今すぐ紹介できる九人て、みなさん女性?」


「そうですよ。涼様には、全員と子作りしていただきますからね!」


「…………………………ふぇ?何で、また!」


「少しだけ事情はお話したと思いますが、私達よりも強いお方でないとなりませぬのでね。」


………………………………………あれって、その場限りの冗談ではなかったのか。

ハーフエルフって子供が出来難いと言ってたけど、どうなんだろうか。


「桃香さん、もしかして、今まで一度も子供は出来なかったのですか?」


「というよりも、子作りしようと思えるほどの強いお方が現れなかったのですが。私と梅香は一人だけ五百年程前におりましたが、この凜香をはじめとした妹達は『未経験』ですからね。」


「あれ?ていう事は、僕は強いと認められたって事かな?」


「強さもそうですが、好みの問題が大きいのですが。」


「………………………………………お二人の好みに、僕は合ったということですか?」


「「合わなければ抱かれたりしません!」」


声が揃ったね。仲がよろしいことで。


「では早速、凛香とお願いしましょうかね。じゃあね〜?」


桃香さん?

何をおっしゃるんですか!

あっ、梅香さんも一緒に出ていったりしないでほしいんですけど?

あっ、凛香さん?

なに脱ぎ始めてるんですか。

僕にどうしろというのですかぁっ!

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