第33話 放置一択だよね?

「………………………………………どうしましょうか?」


「想定外なのよね。」


「「「どうしよう?」」」


………………………………………ラブホテルの一室にしか見えない部屋の中で。

僕にはわからない状況で話が進んでいく。

いや、進まない話が続いている。


「マニュアルには無い状況なのよね。」


「………………………………………それなら、判断できる人を覚醒させるしかないんじゃぁ?」


「………………………………………それが出来ないのよね。」


僕の問に、桃香さんが答える。


「何でですか?」


「あの船のコールドスリープは、連続して使用出来ないのよ。」


………………………………………と言うことは船長を起こすと、もうそのまま寿命まで過ごしてもらうしかないのか。


「船団が派遣されないのは、もう覆られないんですか?」


「そのようね。今通信を解析させてるけど。」


「次の派遣は無いのですか?」


「有ったとしても、次はまた一万年後でしょう。そうすると、コールドスリープ装置の想定寿命を超えます。それよりも、船内に入る為に入口以外から壊して入りましたから、船体の寿命も……」


そうなんだ。


「このまま放置すると、船員はどれくらい?」


「船体が破損したまま放置するとおよそ数年でセーフティが働いて、強制的に覚醒します。通常なら。」


「………………………………………通常じゃ、無いんですか?」


「本当は船体の破損は、想定されてないのよ。恐らくだけど、覚醒させると危険と判断されてセーフティは働かないかと。」


「………………………………………手動で全員覚醒させると、どうなりますか?」


「………………………………………精神的に、耐えられないでしょうね。こんな辺境の星系で遭難して、帰還が絶望的になるなんて。」


………………………………………ということは、ギリギリまで判断を保留するしか無いのかな。


「定時通信の返信に対する返事は、するのですか?」


「ん〜、マニュアルだと、次も百年後なのよね。」


「コールドスリープ装置の想定寿命は、あと百年以上ありますか?」


「恐らく、千年単位は有るかと。」


「じゃぁ、放置しましょう!」


「「「えぇえぇえぇっ?」」」


僕の提案に、叫び声を上げる三人のハーフエルフ達。


「千年もあれば、今の科学技術進歩のスピードから考えて選択肢が増えるでしょうからね。」


顔を見合わせる、ハーフエルフの美少女達。

悩んでも何も解決しないんだから、放置一択だよね?


「………………………………………その為には、私達の子孫を残さないといけません。涼様、協力頂けますよね!」


………………………………………桃香さん?私達って、梅香さんと、まだ紹介すらしてもらってない、そのもう一人のエルフさんもですかね!

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