第32話 返信

「お姉様達!来ましたっ!!」


「………………………………何よっ!騒がしいわね。」


三人で交わったあとのベッドの上。

まったりと乳繰り合っていたら、突然に開けられたラブホテルにしか見えない部屋のドア。


「そうよ!これからが良いところなのよ?」


桃香さんと梅香さんにたしなめられる、二人とソックリな、少女。


あの〜、その〜、僕達三人とも、全裸なんですけど?

ていうか、何で鍵掛けてあるドアを開けて入ってくるのかな。

この子もエルフなんだろうか。

エルフなら鍵なんか意味ないんだろうか。


「その前に、その殿方を紹介してくださいな。」


「「後でね!」」


………………………………声が揃ったね。


「ん〜、ぶぅ〜、ふぇ?」


なんだこのぶりっ子は。

まあ可愛いけど。


「終わったら呼ぶから、出てって頂戴。」


「ぶ〜、わ、か、り、ま、し、たぁ〜?」


ふてくされて出ていったと思ったら、すぐに帰ってきて大声で叫んだ。


「お姉様達っ!来たんです!!」


………………………………何が来たんだろうか。


「………………………………何が来たのよっ!」


同じ疑問を問いかける桃香さん。


「来たんですっ!定時通信の返信がっ!!」


全裸のままで飛び出していく二人のハーフエルフ達。

僕はどうすればいいのだろうか。

どうしようもないよね。

どこへ飛んでいったのかもわからないし。


仕方なく部屋付きのシャワーブースて体を洗って、棚にあったタオルで体を拭いて。

備え付けのボディソープとシャンプーリンスは見たこともない高級そうな品で。

タオルもフカフカサラサラで極上で。


置き去りにされたショックで現実逃避していると、スマホの画面が点滅していて。

通知画面をタップすると、位置情報が送信されていて。


………………………………柚香さんからだった。


『ここへ行ってます。すぐ戻りますので、部屋で待っててください。』


ホントに置き去りにされてしまったようだ。

仕方なくバスタオルの脇に用意されていた作務衣を着て、了解と返信を打ち込む。

まあ、状況からして、すぐには帰ってこないだろうな。


予想通り、柚香さん達が帰ってきたのは翌朝のことだった。

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