第31話 PPP
『PPP』と書いて、『さんぴー』と読む。
………………………………………………僕は何を言っているんだろうか?
そんな事を考えながら、現実逃避してたりする。
先程のラブホテルの一室にしか見えない部屋。
ちなみに、ラブホには行ったことは、無いんだけどね。
横たわる、ベッドの上。
右手には桃香さん。
左手には梅香さん。
僕も含めて、全員、全裸で。
それぞれ汗まみれで、全身、主に下半身が体液にまみれていて。
こんな短期間で、初体験から経験人数が三人に増えて。
しかも、一度も避妊したことが無くて。
全員それぞれ公認という、何処のハーレムの物語なんだろうか?
「………………………………………ねえ、桃香さん、梅香さん。」
「「ん、何でしょうか涼様。」」
…………………………………………声が揃ったね。さすが姉妹。
あれ?姉妹で良いんだよね?
「人類とハーフエルフとで、交配って出来るのかな?」
「「子作りなら、出来ますよ。」」
あ〜、『出来る』んだ。
大丈夫なんだろうか?
「でも、まだ一度も『出来た』事はありません。」
答える、桃香さん。
ん?それって……………………………
「まず前提として、純粋種エルフはどの種族と混血しても、エルフとしての外見と能力しか発現しません。」
つまり、二人の外見と能力は母親と同じと言うことで。
「元々、エルフは繁殖力が極めて低いのです。更にハーフエルフとの混血種は稀な事です。」
「あれ?じゃぁ、二人はどうやってその問題を解決出来たのかな?」
「ロケットに装備されていた人工子宮です。ハーフエルフはそれで生まれますが、クォーターエルフは人工子宮では育たないのです。何故かはわかりませんでした。」
暗い声で、答えた梅香さん。
「て事は、試したんですね?」
「はい、ロケットへの通路が噴火で塞がれるまでは。」
「………………………………………もしかして、それで、人工授精からの人工子宮ではなく、自身で孕もうとしたって事かな?」
「「………………………………はい、その通りです。」」
「それで、何で、僕なのかな?」
「エルフの番は、『強い人』が絶対条件なのです。」
「『強い人』って、どういう………………」
「文字通り、私達より、強い人です。そうでないと、交わっても受精しないのです。」
「それって、試した結果なのかな?」
「はい、『試した結果』と、ロケットに有ったライブラリーを参照しました。」
『強い人』か〜。
僕は当てはまらないよね?
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