第10話
試合開始のゴング鳴らされる。
待ちに待った第一弾のリベンジである。
姉には恨みはないが、妹が仕組んだことだし諦めて貰おう。
今回はリベンジの一環でもある。
総合格闘技のマッチメークがし易くなるように知名度を上げる事もあるし、投げのみで勝という縛りを楽しむこともありまた他にも色々あり一石何鳥だろうか?
信仰はしていないものの私にタイムリープと言う恩恵を授けてくれた神に感謝の祈りを捧げたいものである。
早速とばかりに
正拳突きではあるが近代空手特有のタイミングが分かり辛いパンチなのであるが、最近は総合で練習するようになってから、映像でボクシングとかの動きを観る様になってパンチのタイミングとか読めるようになって来たので空手家のパンチは殆どテレホンパンチに見えるんだよね~
勿論、私が見切れないほどのパンチを放つ人もいるかもしれないが、対戦相手の拳はよく見える。
交わしながら手で払いのけながら相手をいなしつつ隙を
しかし、直ぐに立ち上がり猛攻を仕掛けて来る。
その後も繰り返し繰り返し投げ飛ばした。
何回投げ飛ばしたかもう分らない程投げた様な気がする。
相手の攻撃を全て封殺して隙を突いては投げているが、既に3ラウンドを終わろうとしている。
TV放映の関係なのか3ラウンドで決着が着かない場合は判定となるのであるが、どの様に判定されるのかがよく解らない。
投げによるポイントって
柔道とかなら一本なんだろうけど異種格闘技戦ではあるが、
私投げてるだけなので0ポイント?でも被弾が0なので相手も0ポイント?
そんな事を考えていると集中が少し切れたのかパンチが少し掠ってしまった。
え~とこれ1ポイント?不明過ぎる。
そんな事を考えていると試合終了のゴングが鳴らされた。
判定になったのだが、相手ヘロヘロでこっちはまだまだピンピンしているんですけど・・・
「判定の結果をお知らせします。
あ~やっぱりそうなるよね~
うん、ルールだから仕方ないのかな?
でも、会場は大ブーイングの嵐で収拾がつきません。
あ、香子姉たち発見、爆笑してます。
これってTV放映的に大丈夫なの?
まぁ試合に負けて勝負に勝った的なアレかな?
退場すると選手の皆様やそのスタッフさんたちから拍手で迎えられました。
モニタを見ると大会の代表者さんが収集に当たっているようですが会場はブーイングが止まりませんね~
あれから数週間経ちました。
何と
過去の試合も
スター選手だった彼女は今は地に落ちた・・・これは言わなくても解ることなので、言わぬが花ですね。
逆に私はダンマリを決め込んでいましたが、会長が大会の運営側からの指示を暴露してますので火に油でボウボウと燃え上がっております。
運が良いことに私の知名度うなぎ上りで、私を倒して名前を上げたいと考えた選手たちでオファーが一杯らしいです。
会長には「全員と闘ってもいいよ」と言っていますが、「お前は馬鹿か」と返されましたよ、酷くないですかね?
今日は香子姉の調整で指定の場所で香子姉と組み手してます。
正彦さんに感化されたのか空気投げを御所望で香子姉に何回も掛けては投げ掛けては投げと繰り返し、今度は逆を私がされております。
「私が覚えてお兄ちゃんより先に使っちゃる」とか言っておりますけど、どっちが先に実践で使うかを少し楽しみにしているのです。
正彦さんとの交際は順調で、お互いのご両親にもお会いしました。
正彦さんの父母様は香子姉の家に遊び行ってたし昔から知っていたので特に何も無かったかと言えば、あの一家は武道一家なので「正彦、でかした!!」と大喜びですよ。
武道の強い嫁大歓迎らしいです。
将来、孫のオリンピックの金取っている瞬間に立ち合うのが今の夢らしいです。
うちの家は「有名な柔道家が華の夫に」とか言ってこれまた大喜びですよ。
まだ付き合い始めたばかりなんですけど?結婚はゴニョゴニョ・・・
正彦さんは「武神って名字カッコいいよね~婿入りしようかな?」とか言ってるので、更に家族大喜びのウエルカム状態です。
そんなある日、試合で勝って意気揚々と会場を出た瞬間、包丁を持った女が突進してきた。
あ~やっぱり来たかという思いもあったが、タイムリープ後には殆ど絡むことも無かったので彼女は来ないかもしれないと思っていたが、彼女はやはり私の命を狙ってきたようだ。
私はニヤリと笑い彼女に向けて身構える。
「これで本当のリベンジが成る!!」
完
サレ妻は武を極める(仮) 生虎 @221t2
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