面白いからこそあと一歩。

今では主流になった原作がある物語の中の悪役に転生する話。

設定としてはよくありがちだけど、地の文の構成は読みやすかったです。

主人公の貴族らしい会話エミュは怪しいところはあるものの、違和感はあまり感じませんでした。

戦闘シーンもくどく感じず、特に土蜘蛛との戦闘(１回目)はスラスラ読めます。

総じて、作者様の技量が高くて読みやすい小説です。

ただ、ヒロインを囲うのが早く、タイトルにある「結婚できますか」が24話の時点でほぼ達成まで漕ぎ着けてしまっているのが長編作品として、2人の恋愛がメインである作品として盛り上がりに欠けてしまうと思いました。

十分面白いのですが展開が早すぎるのがもったいないと思います。

あと、原作主人公と取り巻きがどう足掻いても話が通じないヤベェ奴なので、「性格おかしすぎないか？」とか「倫理観と思考がヤバすぎる」と思ってしまいますが、彼らのキャラクター性に関してはそういうものだと割り切るしかないです。