オレンジと黒

のっとん

オレンジと黒

10月30日 月よう日


 今日、ぼくはオレンジと黒の線を見つけました。

 線は、水ぎわ公園から、重なったり、はなれたりして、だんだん橋にのびていました。ぼくは、追いかけることにしました。


 だんだん橋をわたって、ライオンの森まで行きました。線は、ライオンの石のまわりをぐるっと回って、ヤマモモの木の横を通りました。

 公園から出ると、線は道路の反対側までつづいていました。線は道を横だんしていました。ぼくはちゃんと、横だん歩道をわたりました。


 商店がいに着きました。レンガの道にまっすぐ線が続いていました。

 線を見ながら歩いていたら、コロッケ屋のおばちゃんに「たかくん、何してるの?」と聞かれたので、ぼくは「線を追いかけてるんだよ」と教えてあげました。

 おばちゃんはふしぎそうな顔でぼくを見ました。おばちゃんには線は見えないらしいです。ジャガイモとかぼちゃのコロッケをくれました。


 線は、商店がいを出て右に曲がりました。

 四つ目のしん号で、今度は左に曲がりました。

 ここは家がいっぱいある道です。道の反対がわは川が流れています。このまま行くと、どんぐりの神社があります。


 神社の方へ進んでいると、鳥居の前にだれか立っているのが見えました。黒い線は右足から、オレンジの線は左足から出ていました。

 近づくと、その人がくるっとこちらを向きました。

 その人の頭はオレンジ色のかぼちゃでした。ハロウィンのかぼちゃです。ぼくはびっくりして立ち止まりました。三角形の黒い目がぼくを見ていました。

 急にかぼちゃの顔が目の前に来ました。1秒より速いです。びっくりして、声が出ませんでした。


 ぼくがだまっていると、かぼちゃ頭の口がぱかっと開きました。「きみ、おいしそうなにおいがするね。」と言って口がもっと大きく開きました。ぼくの頭より大きく開いていました。

 ぼくは食べられたと思います。真っ暗な口が近づいてきて、こわくて、目をつむってしまったので、さい後まで見てないけど食べられたと思います。


 目を開けたらかぼちゃ頭はいなくなっていました。

 線もなくなってました。

 そして、ぼくのかぼちゃのコロッケもなくなってました。たぶん、かぼちゃ頭が食べたんだと思います。



「これで僕の不思議な話は終わりです。ご清聴ありがとうございました」

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オレンジと黒 のっとん @genkooyooshi

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