カタツムリ
西成‼️成人の女募集中‼️
カタツムリ
「オオェッ…」俺はトイレに籠り、頭痛と腹痛と戦っている。
「急性アルコール中毒」これなら自分でも楽に死ねると思った俺は、Amazonで注文した酒を一気飲みした。
悶絶ののちに、トイレから出た俺は虚な目で天井を見つめた。
天井からぶら下がる首吊り用のロープは、まだ使っていない。
「絶対死んでやるぞ」と
吊るしたソレは結局お飾りで、
死ぬ気なんて無くて自分を慰めたいだけだったのかも知れない。
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数ヶ月前
俺は鑑別所に居た。
「窓に鉄格子のある部屋」「壁の無いトイレ」
俺は独房でシャバに出てからの事を考えていた。
「動画投稿を始めよう」「整形しよう」「リアルで彼女を作ろう」「いつでも死ねるようにしよう」
色んな空想が、一日の大部分を占めた。
「何かをしないと」「変わらないと」
そんな意識はあった。
「2年間の保護観察」俺に出された判決だった。
その日娑婆に戻った俺は、久々の社会が凄く眩しかった。
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薄暗いマンションの一室で俺は目を覚ます。
「腐臭」と「吐瀉物の臭い」が鼻に突き刺さる。
この日常の
のろのろと殻に籠り、死に進むその様は
さながら日照りのカタツムリの様だった。
「時間を食い潰し」「金を食い潰し」
何もしていないのに、時間だけが進んで行く。
延々と虚無の時間が続いていく…
今日は外に出る用がある。
久々にふと外に出るとカタツムリがいた。
日照りのアスファルトの上で死を待つその姿は
弱々しく、どこか自分に重なった。
「ビュゥー」
自転車が視界を通り過ぎたその時
カタツムリは死んでいた。
カタツムリ 西成‼️成人の女募集中‼️ @hanzai471
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