#29
「あっ、エピックオブレジェンドダークネスシュバリエさん!お疲れ様です!」
「パーティー名フルで言うのやめてくださーい!はい、お姉さん、これいつものヤツです」
ギルドの受付にて、今日も今日とて大量のポーションを納品する。もはや慣れたもんで、受付のお姉さん共すっかり打ち解けた。
「いいじゃないですかエピックオブレジェンドダークネスシュバリエ……か、カッコイイと思います、よ……?ふっ、ふふふっ……!」
言っといて必死に笑いを堪えている受付のお姉さん。打ち解けるには打ち解けているが、馬鹿にされてる感は否めない。
わかる。俺だって近場にこんな厨2全開の痛パーティー名の奴らが居たらバカにして笑うもの。言うてしょうがない全てはアリル様の御心のままにである。
「はい、それではこちらが報酬になりますねー」
「ありがとうございます!」
納品物の検閲を終えて報奨金を受け取る。ふぅ、これで今日もなんとか生き残ることが出来そうだ。とはいえ飢えずになんとか暮らしてくことしか出来ない訳だが。
「エピックさん、最近の調子はいかがですか?」
「そんな名前では無いです。カラサワです。ご存知の通り、ボチボチですねー」
最近すっかりポーション納品をメインに活動してる。いろいろと試した結果、これが一番効率よく稼げる。たまにベヒーを飼っては居るが、ウチのパーティーメンバーがパーティーメンバーなのでベヒー討伐は俺だけがクソほど疲れるのでたまに受ける程度だ。
ポーションばかりを納品してランクも気がつけば14となった、もう少し頑張ればアイアンの上限である20に達するだろう。そこから先は……まぁ、今はいいか。
「そろそろポーション納品以外の依頼も受けてみては?」
「そうしたいのは山々なんすけどね。如何せん、アレなので」
クイっと指を指した方向にはアリルとセランちゃん。なにやらセランちゃんが床に額を擦り付けて平伏してるのをアリル様が見下ろしていた。おそらくアリル様が自尊心をお満たしになってる最中かと思われる。
「アイツら本当にクソの役にもたたないですからね」
「は、はははっ……」
これには受付のお姉さんも苦笑いである。
「こういってはなんですが……ダークネスさんがソロで活動した方がいいのでは?」
「誰ですかその人?カラサワです。それはそうとしか言いようがないんスけど、アイツら俺が居なかったら確実に野垂れ死ぬので!」
「それもそうですね……。あの子たちの面倒を見るのは大変だと思いますけど、頑張ってください!シュバルツくん!」
「カラサワです。次までにちゃんと覚えといてくださーい!」
スライムにすら勝てないポンコツクソザコナメクジメと一緒に冒険者生活 助部紫葉 @toreniku
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