キャッチコピーとタイトルに強く惹かれて読み始めたお話です!
本来正義の象徴である勇者が、魔王を倒して凱旋し、彼を待ち歓迎した皇帝を何故殺さなければいけなかったのか。
あらすじを読んだだけでも、きっと気になってしまう方は多いのではないでしょうか。
どきどきしながら読んだプロローグから、私は物語に一気に引き込まれてしまいました!
設定や構成など深く丁寧に作られていて、皇帝を殺すまでに至った真相を語る勇者リヴァン、父である皇帝を殺され彼に問いかける皇女イグなど、登場人物達もとても魅力的です。
文章も読みやすく、リヴァンの心情や彼を取り巻く人々や風景が鮮明に感じられ、いつの間にかお話に夢中になっていきました。
タイトルやあらすじで少しでも気になった方は、ぜひ読んでみて欲しいお話です!
臨場感溢れる物語です!
討伐直後の国を挙げた大喝采を悲鳴に変えてこの独白は始まりました!そこで語られる真実はとても生々しくとても残酷なものとなります。
遡る形で描く以上、執筆前にどれだけ練り込んだのか想像がつきませんが、作者様の中で確立した時系列の元、空白が埋まっていく感覚は他の作品では味わう事ができません!
点と点が線になったとき、謎が解明されたことによる安堵はあるでしょう。ですが、解明されたことによる落胆も同時に襲い掛かってきます。
それでも全てを知りたくなるのが性なのでしょうか。
この先の展開を待ち望んでいる自分がたしかにいます!
そんな情緒を揺さぶる名作。みなさんも足を踏み込んでみてはいかがでしょうか!