十代の多感な時期。
自分には何か特別な力が眠っていて、いつかそれが開花するんじゃないか――そんな“夢”を見ていた方も多いのではないでしょうか。
かくいう、僕もその口です。
叶わない現実。だからこそ創作物の世界に浸る。
この作品は、そんな想像を見事に投影してくれます。
これは、主人公・久鎌井くんとそれを取り巻く美少女たちの成長物語。異能での戦いを通して、苦悩や葛藤、困難を乗り越えていく様が秀逸に描かれています。
文章力もさることながら、作者様がこの作品に対する深い想いは読んでいても伝わってきます。
なので、是非ともこの作品に触れていただきたい。
ラストは感動ものですよ。
学内に数々のファンをもつ沢渡衣は、夜中に野良犬に遭遇したところを白騎士に助けられた。
全身鎧の霊のような白騎士の正体は、同じ学内の後輩・久鎌井友多だった———??
しかして、彼と白騎士との関係は一体何であるのか。
そして白騎士の正体をあばくうちに浮かび上がる、とあるうわさとは……。
現代日本に蘇るギリシア神話、夢をみるような鮮やかなロマンにあふれる語り口です。
それでいて、青春ならではの初々しさや瑞々しさも感じ取れるところ٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
絶妙な調和(バランス)のとれた、どこか懐かしさを思わせる作品です。
古き良き時代を味わいたい方におすすめ。
ぜひ、ご一読ください。