第8話 THE END
私はバニーガール部の中に入ると誰も居なかった。つまらないなー。せっかく、伝説のバニーガールスーツを手に入れたのに。
数分間の沈黙が流れると。
うーん。着てみるか、私は奥のカーテンの中に入るとバニーガールスーツに足を通す。あれ?ぴったりだ。私がありふれた体型だからか?
えーと、ハイヒールに耳を付けてと。その時である。ガラガラと戸が開き。部室にバニーガール部のメンバーが入ってくる。
「やあ!」
私はバニーガール姿で固まって皆に手を振る。
「その恰好はバニーガール部に入るとのことですね」
テラさんが大声を上げる。
いやいや……。
麗奈さんは顔がωになり。スマホを取り出して撮影を始める。ダメだ、もう戻れない。このままバニーガール部に入るしかない。
もはや、入部は避けられない。せめて、伝説のバニーガールスーツであることは隠そう。
「ところで、そのバニーガールスーツは何処で手に入れたのですか?」
厳しい質問をテラさんが問うてくる。
「ああああ、ネットで買った」
「何だか伝説のバニーガールスーツの様な気がして。試しに願い事を言っていい?」
「あははは、試してみる?」
テラさんが小首を傾げて話しが進む。しかし、健全に動揺している。疑問文を疑問で返しているし。
「なら、小夜さんがバニーガール部に正式に入部して欲しい」
『その願いかなえましょう』
何処からか、女性の声が部室に響くと。次の瞬間には入部届が麗奈さんから渡されるのであった。私は入部届を受け取るとペンを用意する。
えーと、ここにサインをして……。
タタタン、タン、タタタン。
何これエンドロールが流れているし。
「これでお終いなの???」
『はい、終わりです』
伝説のバニーガールスーツが返事をすると。
『THE END』の文字が現れて、この物語の終わりをつげるのであった。
健全、バニーガール部にようこそ! 霜花 桔梗 @myosotis2
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