第2話 今日は入学式だ!でもラブコメじゃあるまいしな…。
さてと。
今日は入学式だ!でもラブコメじゃあるまいしな…。
うん、タイトル回収完了!帰ろう!
…と言いたいけれども、ここで帰ったら入学早々不登校ボーイになってしまう。
それどころか、登校日に顔を合わせることになる。隣の席の人からは気を遣われ、いや、最悪の場合、クラス全員から気を遣われることにもなりかねない。
なんなら最初の印象最悪だろうな。
「あいつ、入学式来てなかったらしいぞ…?」とか、
「うわっ、こっち見てるんだけど…こわ…」とか。
なんか後者だけ酷いな。
そう、3回目になってしまい申し訳ないが、今日は入学式。
桜が祝福してくれているかのように、空をひらひらと、舞っていた。俺は桜より3色団子だけどな。これぞ、ことわざ通りの『花より団子』である。
いやしかし、ことわざって便利だな。
兎に角、俺は今、両親と、黒くも太陽の日の光に照らされて熱を放つ平らな道路の上を車で走っていた。
ここら辺は、すげぇっ…都会都会してやがるッ!というほど栄えている訳ではないため、人の通りはそれほど多くはない。しかし、朝であるためか通勤目的の人や、有り難いことに観光目的の人、実家への帰省の為に仕方がなく通る必要がある人などと、そんな感じであると考える。
てか、だいたいそうだと思う…。
新たな場所(高校)で、新たな人物(クラスメイトとか)と、奇跡的な出来事(フィクションだな。うん。)を期待しながら、車外を覗く。
見馴れた町並みだ、なんも変わっちゃいない。
だろうな。
当たり前だ。だってずっと同じ場所で過ごしてきたからな。
…変わっちゃいないというと嘘になるな。
そだ、変わったことといえば、近所のスーパーの近くに置いてあった(放置されてた?)、昭和時代の雰囲気を醸し出す、苔や雑草が生えまくった車がなくなっちまったな。
あれ結構気に入ってたんだがなぁ…。
時が経つってのは早いモンで、どんどん錆びていったり、失ってしまったり、新しく創られたり。
どこか悲しいような、楽しみなような。
色んな思いが絡まりありあって、複雑な気持ちだ。
さて、エピローグ的な文章はここら辺でいいかな。
まず、俺は人見知りだ。言ってなかったから一応言っとく。
よって、ここから分かることは?そう、人間関係が心配で仕方ない。
初対面の人とは目を合わせられないし、話の最初に「あっ」って言っちゃう。
そんな人間だ。まるで後藤ひ〇りみたい。おっと、〇文社に怒られそうだ。これ以上はやめとこう。
ともかく、人付き合いが苦手でもある。
中学校の知り合いとつるんでればいいじゃん。そう思うだろう?しかし、それは叶わない。夢のまた夢だ。
それはなぜか。
中学校の友達が誰一人としてこの学校にいないからだよ!!!
はぁ、と溜め息をついたのは今で何度目だろうか。入試で合格して、やったー!と舞い上がっていたところに、悲報が届いたあの日を、今も忘れやしないだろう。
クッソ…。一人でもいればなぁ。そうすれば…。
ぶつぶつと念仏のように唱え続けていることを、両親は知っている。
いつも俺を気遣ってくれる、時に優しく、時に厳しい、自慢の両親だ。
そんな両親だからこそ、こういった不平不満をそこら辺にぶちまけても、拾って、慰めてくれる。
緊張をほぐそうと、両親が話しかけてきた。
「今の気分はどうでしょうか!」
--母さん、ナレーターなのかいそれは?
「緊張する気持ちも分かるけど、もっとポジティブポジティブ!」
…確かにそうだね。お母さん。
いつまでもウジウジ…はしてないか。悩んでてもしょうがないな。
と、そこへ。
「友達ぐらい簡単に出来るって。」
--父さん、そう簡単に言うけどさぁ…。こっちだってそうしたいよ?でもねぇ、人見しりだよ?
さっきの吹っ切れた発言はどこへいったのか。
「女子とも話したら仲良くなれるかもよ?」
そういえば言ってなかったが、俺は女子と話すことが『大』のつくほど苦手だ。
--女子と話す!?そんな…無理難題だよ…!
なんて、いつもと変わらない、ほのぼのとした会話が繰り広げられた。
あぁ、しっかしそれでも緊張するわ。
一旦割愛。
理由:長くなりそうだから。
ついに正門が見えてきた。鉄のような重さを感じさせる真っ黒な扉の前には、屈強な漢達…がいれば少しばかり盛り上がったんだがな…。
まぁ現実、思った通りにはいかないよな。
どんな人がいたか気になった方向けに書いておく。
黒か紺色のスーツを着た男性が一人、浴衣のような晴れ着を着た女性が一人ほど立っており、校門からどこへ向かえばいいかを案内していた。
言うなれば、誘導員である。
そらそうか。初めて来る場所に説明なしで入らせても、ただ困るだけで事が進まないもんな。
また割愛
理由:特に書くことがない。
移動している時に面白いことがあれば書きたいが、その望むものがない。
やっぱ上手く出来た世界じゃないわ。
ぞろぞろと体育館に見知らぬ人達が入場してくる。
怖いよー、助けて誰か。
あらかじめ用意されたパイプ椅子には、所々錆付いたところが見受けられた。
この手のパイプ椅子はどうして錆止めをしないのか不思議だ。小学校、中学校でも見たが、学校のパイプ椅子は何かと錆ており、表面がギザギザするというか、なんというか。
いかにも手入れしてませんと言わんばかりの錆があるものも時々あった。
アレ地味に痛いんだよね。服もちょっと引っかかるし。
椅子に無事座ることに成功。服も引っかからずに済んだ。
ざわざわとする体育館に、一人の教師の呼びかけであたりは静寂に飲まれた。
校長が階段を上り、壇上に立つ。そして、
いつの間にか俺の意識は飛んでいた。
要するに、寝てた。
あまりよくないとは思っている。しかし、あの突如襲い掛かってくる強烈な眠気には、どうすることも出来なかった。
カッコいい感じに言ってるけどやってることに対するイメージが最悪だな。
自重します…。
教室に案内されてしまった。どうしよう。冷や汗が止まらない。
最悪だ、両隣が女子。人生最大の危機だ。助けて、〇ラえもん。
もうその後のことは記憶にない。緊張と冷や汗で頭の中がいっぱいいっぱいだった。記憶するための容量が、脳というドライブの使用可能な空き領域が足りなかった。
なんやかんやで学校終了。短かったような、長かったような。
嘘ついた、滅茶苦茶長かった。
教室から出る前に、後ろの席を見ておいた。
なんとそこには、男子がいた…。これは奇跡か?
--こんにちは…。
「こ、こんにちは。」
--えと、名前は何て言うんですか…?
「あっと、河野っていいます…。」
--あ、ぼ、僕は…。
なんだこの会話。と思うかもしれない。しかし、この時の我々にはこれが限界だったのだ。
あと、この時の俺の一人称は「僕」だった(笑)。
ドギマギとした、ぎこちない会話を数分ほどして、俺と両親は共に教室を後にした。
いやー、これからどうしよう。という不安の声を漏らしながらも、仲良くやっていきたいな。という思いに更けていると、外に生えている桜が、こちらを向いて微笑んでいるような気がした。
--父さん母さん、学校生活、やっぱ不安だよ。
「「なんとかなるって。」」
二人は息ピッタリでハモった。
--打ち合わせでもしたの?
なんてツッコミを入れた時。
その時、俺は見た。
帰り道に車の中で見た太陽は、はにかんだ表情で、確かに笑っていた。
[余談]
2話目だってのにだいぶ飛ばしてしまった。
あと最終回チックな終わり方してしまった。
まぁいいか。ハハッ!(某夢の国のネズミ―マウスのモノマネ)
普通に生きてればラブコメみたいなことなんて起きるわけがないんですよ。 9⁸t@さん @neji9810
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