編者によるおわびと修復の進捗について

 この『幻生生物考』が、この上なく不完全で不恰好な状態で皆様の目に触れることをご容赦願いたい。プロローグから第4節までの修復は、長い年月と多くの人員を割いて進められたが、エピローグも含めた第5節以降の損壊はそれ以上に深刻であり、判読は困難を極めている。特に、〈ロケットペンギン〉での未知の放射性物質に関する記述、〈ジョージ〉における幻覚の詳細やその被害者の実名に関しては原著者自身の手によって黒塗りが施されており、これらの節は、未だに修繕の目処すら立っていない状態である。黒塗りの真意は、彼が失踪した今となっては確かめようもないことであるが、人間の頭部が非実体化する現象を解明し解決するためには、この『幻生生物考』の解読が急務であることは重々承知している。当然、〈ジョージ〉の節が最も重要な鍵を握っていることは我々もわかっているのだが、この節は最も修復が困難な箇所でもあるのだ。どうかご理解いただきたい。


 現在、第5節、第6節の修復は、7割方完了している。修復が終了し次第すぐに、皆様のお目にかけることをここに約束する。

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幻生生物考 ひらり @hirahirahirari

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