僕はこの物語、と言っても短編集を読んで「美しい」と思いました。
それは内容云々以前に、筆者様の「心の破片」が鮮やかに物語を満たしている様に感じたからです。
文學について僕は語る程の知性も教養も知識も持っていません。ただ、物語という構造は「心」を投影しない限り、その言葉が生きる事はないと思っています。
ここに納められている「心」、行動や感情や思考、また愛や恋や祈りや憧憬、それらの「美しき破片」、読後に感じる何かの想いに僕は登場人物達の人生を感じました。
人は人に出会った時に、僅か数秒で何かを感じます。その人間の全てを知るには途方もない時間がかかりますが、その一瞬の閃きにも似た刹那の想いが自らの中で大きく膨らむ事で、興味を持ち、会話をし、時に笑い、時に驚き、時に悲しみ、その人を好きになって行きます。
その一瞬の想いにも似た感覚、この物語は僕の心をそう言う風に捉えました。ゆえに物語の向こうにある筆者様の「心」に強く惹かれてしまいます。
短銃に、綺麗だとか、華やかだとか、見目麗しいとか、そういう「美しさ」とは違う、人間が持つ揺るぎない何か、そういう「美しさ」を僕はこの物語かから感じました( ;∀;)