第2話
「尊くん……空き教室にきてね」
由香子に呼び出された。嫌な予感しかない。
「なっなに?」
「ねぇ尊くん、私がどんな立場にあるか知ってる?」
「理事長の孫………」
「せーかい!」由香子はくるくると回転しまわる。
「で…………なに」
「それでね…」僕は由香子に顔を掴まれる。
「何言っても無駄だよ尊くん、もみ消せるからね」
僕は由香子に土下座し顔を踏まれる。
「あぁ〜んかわいい尊くん、床をぺろぺろして(はぁはぁ♡尊くん♡)」
「くっ………」
僕は屈辱に震えながら床を舐める。空き教室にはカメラはあるが起動していない由香子が落としたのだろう。逆らったら何されるかわからない由香子のやることに抵抗ができない。
「尊くん………」声し見上げると水がかかってきた。
「シャワーだよ?水だけど」
「つっ冷たい……」僕の制服はびしょびしょになり手が震える。
「寒いよねぇ寒いよねぇ!尊くん!」僕は逃げようとするが背中を踏みつける。
「ねぇなんで逃げるの?(尊くんダメダメダメダメダメ)」10分くらい冷水をかけられた。僕の全身はびしょびしょになり寒さで体が震える。
「寒いよね尊くん」由香子は僕の目の前で座り僕の顔にものを投げつけてきた。
「尊くんは弱くなきゃあんな女ぁ…………(尊くんは負け続けなきゃ)」由香子は爪を噛み不満を露わにする。僕はその隙をつき由香子を押し返す。
「きゃっ」
「はぁはぁ……」
由香子はびっくりしてるのか動けない。
「なっな………(尊くんが私に逆らった……はぁ……興奮するわぁ!)」由香子は僕の腕を掴むとそのまま背負い上げて落とす。
「ごめんね尊くん私武道はそこそこやってきたから」
「かっ……かはっ」僕は衝撃でうまく息が吸えなくなる。
「女にマウント取られて悔しくないの?」
「うっうるさい……うえぇっ」由香子は僕の胸骨を押してくる。
「うるっさいなぁぁああぁぁぁぁ!!」
「くぅっ……」
「私はね君をいじめたいわけじゃないんだよ?」由香子は僕の頭を床に打ちつける。
「だからさぁそんな顔しないでぇぇぇええ!(かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す)」
「ごっごめんなさい……」
「わかったならいいよ……」由香子は教室に戻っていく。僕は痛みと心の傷で動けなくなる。
だんだんと視界が暗くなり周りが暗くなるーーーーーー
「だっ大丈夫?尊さん?尊さん!」
僕は目を開けると担任の楓先生が僕を揺らしていた。
「せっせんせい…」
「はぁよかった………教室に見えなかったから何事かと思って」
「ごっごめんなさい…」
先生は僕を立たせると保健室に連れて行ってくれる。
「何があったの?」
言っても権力で握りつぶされる………言うだけで無駄だ。
「なっなにも……」
「そっか、なら先生教室戻るねじゃあね」先生は僕を連れてくと教室に戻ってった。
僕は由香子に突かれた胸をなぞる、なぞると鈍い痛みが胸を打つ。
愛哀檻折 ツインピース @ikitene
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