愛哀檻折

ツインピース

第1話

僕はいじめられている。毎日毎日殴られ叩かれている。

「やめっt……うぶっ」

「へいへ〜い尊くんっ!」いじめっ子たちが僕の腹を殴ってくる。

ちなみに僕の名前は御業尊、高校生。

「なぁなにへばってんの?ほら立てよ」

「はぁ…はぁ…ひっひぃ…」

「ねぇ尊くん立って」黒髪の美女が僕の顔を撫でる。こいつは蛇喰由香子、いじめの主犯格のクソ女だ。

由香子は僕の髪を掴む。

「ほらぁ…歪む顔を見せて?(尊くんのぐちゃぐちゃな顔が見たいよぉ♡……苦痛で歪んだそのお顔♡)」

「やっやだっ……」

「ちょっと!!何してるの!」

「やばっ」いじめっ子たちが声で退散していく。

「尊くん大丈夫だった?」

僕を心配してくれている女性は与田さきさんクラスの委員長で僕に優しくしてくれる。

「ボロボロになって………」与田さんは僕に絆創膏を貼ってくれる。

「尊くん……一緒に帰ろ?」

「えっ?いいけど……」

与田さんは僕の手を引っ張ると連れてく。

「与田さんってどこに住んでるの?」

「私?私はね〜ここっ!」与田さんが指を刺したのは僕と同じマンションだった。

「尊くんと同じマンションで隣同士なんかぁ……運命感じるね」

与田さんは笑顔で言う。その姿にドキッとしてしまう。

「与田さん今日はありがとう」

「うんっ…あっ尊くんなんかあったら相談してね死んじゃうのは嫌だし」

「死なないよ」

僕は夢が叶うまで死なない。


私、与田は尊くんと別れた後カバンから尊くんの血がついたティッシュをパックに保存する。

「ふふっ、私のことを頼ってくれたぁ♡」私は隣の壁に耳を当てる。

「何話してるのかなぁ……私のことだったりして♡」

私は尊くんに依存して欲しい♡


僕は殴られたお腹を保冷剤で冷やしながら考える。

「夢ね……久しぶりに言ったなぁ」

僕の夢、とういうより約束はもう覚えてないかもしれない。だけど、僕にとっては希望になってる。

「それまで僕は死ねない!、よしっ勉強するか」

僕は課題に取り掛かった。


蛇喰由香子、私は父様に買ってもらったカメラで尊くんを監視していた。

「ふ〜ん与田さんね……あの偽善委員長と隣…」私は爪を噛む。私の父は高校の理事長なので頼めば揉み消してくれる。だから、尊のことはいじめ放題。

「私のおもちゃなのに………」私はカミソリを指で摘み瓶に詰めていく。明日の道具だ。

「あの子たちも用済み……汚れた顔を見せれなかった」

私は尊からちぎった髪の毛を舐める。

「さぁ尊くんっ………かわいい顔を見せてね」


僕は写真立てを見る。幼馴染と撮った唯一の写真。

「覚えているのかな……何年も会ってないし」

今一人暮らしの部屋を静かな部屋で僕は寝落ちした。

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