盧循5  撤退

盧循ろじゅん徐道覆じょどうふくに言う。


「師老! もはやこの地の立て直しは効きませぬ、尋陽じんように陣取り、力を合わせ荊州けいしゅうを落としましょうぞ、そこから改めて建康を狙えば、まだ勝ち目もございましょう!」


このため蔡洲さいしゅうから南に逃れ、尋陽に拠点を構えた。。


劉裕りゅうゆうは諸将に即時の追討を掛けさせ、次いで自らも大軍を率い出撃した。そして尋陽が港を構える湖、雷池らいちにてさらに盧循らを撃破した。盧循は豫章よしょうへの撤退を考え、死力を尽くして左裏さりに柵を設け、追撃を遮断しようと目論んだ。劉裕が柵に攻めかかる。盧循軍も死力を尽くしたのだが、抵抗は叶わなかった。


劉裕は勝ちに乗じ進撃。盧循は單舸にて逃げ落ちつつも、途中で逃げ散った配下千人あまりを回収し、廣州こうしゅうにて守りを固めようと考えた。しかし劉裕は追撃に先んじ、孫処そんしょを海路にて進ませ、盧循が根城としていた番禺ばんうを陥落させていた。盧循は奪還を図るも、攻め落とせない。徐道覆は始興しこうにて守りを固めた。


盧循は番禺を諦め西方に逃げ、合浦ごうほを襲撃、攻め落とす。さらに交州こうしゅうに侵攻し、龍編りゅうへんに至ったが、ここで交州刺史こうしゅうしし杜慧度とけいどによるだまし討ちを受け、敗北した。




循謂道覆曰:「師老矣!弗能復振。可據尋陽,並力取荊州,徐更與都下爭衡,猶可以濟。」因自蔡洲南走,復據尋陽。裕先遣群率追討,自統大眾繼進,又敗循於雷池。循欲遁還豫章,乃悉力柵斷左裏。裕命眾攻柵,循眾雖死戰,猶不能抗。裕乘勝擊之,循單舸而走,收散卒得千餘人,還保廣州。裕先遣孫處從海道據番禺城,循攻之不下。道覆保始興,因險自固。循乃襲合浦,克之,進攻交州。至龍編,刺史杜慧度譎而敗之。


(晋書100-10)




うーん、さすがに盧循のこのセリフあとづけでしょ。どのツラ提げてこんなセリフを徐道覆に吐くんだよ。逆ならまだわかんないでもないけど。


いま劉裕の南燕攻めのあたりを調べてるんですが、そこでも公孫五楼こうそんごろうの進言が、うまい具合に劉裕の弱みをつく内容だったんですよね。正直このあたり、徐道覆や公孫五楼が献策したと言うより「これを実行できてれば盧循/慕容超は勝てたのに」的床屋談義を無邪気に収録しちゃってるようにしか思えません。まぁそんなもんなんでしょうけど、なんだかなぁ感はどうにも拭いきれないです。


なお孫処と杜慧度の活躍は宋書に載ってます。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054891500185/episodes/1177354054892749859

https://kakuyomu.jp/works/1177354054895306127/episodes/1177354054938465891

孫処はまぁいいとして、なんで杜慧度が微妙に悪く書かれてんだろなぁ……?

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