范弘之1 謝石を殴る
「謝石は名族に相応しき立身を遂げ、民草を統べる地位に就き、朝廷の運営をよく補佐し、内外の諸々ごとについての検証も勤勉に行ってまいりました。名臣とする評価が下るのも確かなことにございます。また
さて、古の賢明なる宰相とは以下の三事に則ってございました。大なるは「事君」、道理にて君に仕え、終日その道理の達成のために取り組み続けること。次は「厲身」、国のために身を削り、朝から晩まで怠ることなく政務に従事すること。下々に向けては「愛人惜力」、人材を活用し倹約につとめ、日々の政務を乗り越えること、と。こうしたこと成し遂げさえできておれば、『
では、謝石はいかがでございましたでしょうか。その地位は朝廷の一端を担い、その任務は掲げられた道理に則るべきでありながら、その発する言葉に忠國のはかりごとなく、その肩書、その身の上の保全を図ってばかり。ここに事君はございませぬ。また
范弘之字長文,安北將軍汪之孫也。襲爵武興侯。雅正好學,以儒術該明,為太學博士。時衞將軍謝石薨,請諡,下禮官議。弘之議曰:
石階藉門蔭,屢登崇顯,總司百揆,翼贊三臺,閑練庶事,勤勞匪懈,內外僉議,皆曰與能。當淮肥之捷,勳拯危墜,雖皇威遐震,狡寇天亡,因時立功,石亦與焉。又開建學校,以延冑子,雖盛化未洽,亦愛禮存羊。然古之賢輔,大則以道事君,侃侃終日;次則厲身奉國,夙夜無怠;下則愛人惜力,以濟時務。此數者,然後可以免惟塵之譏,塞素餐之責矣。今石位居朝端,任則論道,唱言無忠國之謀,守職則容身而已,不可謂事君;貨黷京邑,聚斂無厭,不可謂厲身;坐擁大眾,侵食百姓,大東流於遠近,怨毒結於眾心,不可謂愛人;工徒勞於土木,思慮殫於機巧,紈綺盡於婢妾,財用縻於絲桐,不可謂惜力。此人臣之大害,有國之所去也。
(晋書91-6)
やったー! 范弘之さんですよ! こちらで「盛大に謝石を殴る会」が開催されているのを知って以来、早くここにたどり着きたかったんです。そしてたどり着いてみれば、どうですか! この論述の念の入れよう、相当このひと謝石の振る舞いが腹に据えかねてたわけですよ! たまりませんね、論語から詩経からを引いて、徹底的に叩き潰さんとするこの意気込み! いやぁ、これチーム晋書も相当書いてて楽しかったんじゃないですかね。めっちゃ生き生きとしてます。まだまだ続くので、先が楽しみなんじゃ。
愛禮存羊
論語八佾「子貢欲去吿朔之餼羊。子曰:「賜也!爾愛其羊,我愛其禮。」」
端木賜殿が新年の祭礼にて、羊を捧げるのをやめようとした。というのも新年の祭礼では、国主が天に羊を捧げる、が正式。その祭礼に、国主が参加しなくなって久しくなっていた。なので羊を捧げることもあるまい、と端木賜殿はお考えになったのだ。すると孔丘先生が仰った。「賜!お前は羊をあわれむのか? 私は、祭礼の形が少しでも残っていることを望むよ」
無将大車
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918856069/episodes/16816452219346713380
伐檀
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918856069/episodes/1177354055043818585
大東
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