エピローグ
後日、レギウス進行による事故処理のために再び俺たちは神戸に赴いた。
前回が夜の降下作戦で訪れたため、陸上から入ったのはこれが初めてである。
「にしても、初任務が50m級だったのは、やっぱりビビったか?」
「いやもうそれは…。めちゃくちゃ怖かったですね。」
瓦礫の片づけに参加していた俺達。先輩らから連日ヒーローの様に俺は扱われている。
「ボサっとするなよ。和気藹々もいいが、仕事もちゃんと行え。」
と、これは隊長。あの後、隊長は今回の作戦で独断行動を行ったとして、減給処分を言い渡されていたらしい。災害翌日は俺を讃えてくれたが、処罰後は露骨に不機嫌になっていた。
「…そういや、なんで二発の特殊弾は効果がなかったのですかね。」
一発目は狙いがズレたが、二発目はほぼブレなく凹んだ個所に撃ち込んだはずだ。
「簡単なことだよ。そんなもん。」
簡単なこと?
「『ヤツの表皮がそれだけ硬かった』ということだ。硬度がダイヤモンド並、それが40㎝位の厚さがあったんだよ。よくもまあアレで空を飛んでたもんだ。アイツ。」
答えは至極単純だった。
「ま、開発部にはいいデータ取りができたんじゃないかな。連続であれだけの硬さのやつが来られると厄介だけどよ。」
先輩方が手を動かしながらそう説明した。
被害自体は甚大だけど、民間人防衛隊双方の被害者数は軽度のケガが30名ほど。よくもまあここまで被害を抑えたものだな。と、感心する。
「なんだよ、その俺達が『頑丈で頭のネジが飛んでる』って言い方。」
なんでモノローグが聞こえてるんだよ。
「お前ら、手が止まってるだろ!基地に戻ったら全員反省文書かせるからな!」
「「「すみませんでした!」」」
こうして、俺の初任務は幕を閉じた。今後、この経験を活かして、俺はもっとレベルアップした防衛隊員として、様々な現場で活躍することになる。
「あ、最後にひとつ…、ちょっといい?」
なんでしょ?
「お前、そういや名前は…。」
俺の名は ―――――――――――。
モモンガ よっちゃん @765Sport
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