宛て先のない手紙

宛て先のない手紙

　初めまして。ではないんです。突然ごめんなさい。でもどうしても気持ちを伝えたくて、この手紙を書きました。

　あなたを毎日見ています。気づいているかな。あなたは毎日たくさんの人と出会って、その中の一人のわたしのことを知らなくても当然ですね。

　こんな手紙、迷惑ですよね。読まれないことはわかっています。開封すらしてもらえないかもしれません。余計な手間をとらせるだけですね。本当にごめんなさい。

　でも他に気持ちを伝える方法がわからないし、手紙を書くことがあなたに感謝を伝えるには一番だと思いました。

　たくさんの人に気持ちを届けるって本当に素敵なこと。あなたを見るたびにとても温かい気持ちになれるんです。雨の日も風の日も、雪が降ってもちっとも動じない、あなたはたくさんの人の支えになっています。

　わたしはあなたの佇まいが好きです。いかにも丈夫な四角い体、二つの口。赤が良く似合います。上半身と下半身のアンバランスがちょっと気になりますが、余計な心配ですね。

　これからも沢山の手紙の道標でいてください。