子どもと大人の中間から見た正義の味方

作者様はエッセイを中心に書いているらしく、とてもレベルの高い完成度となっていました。エッセイとはこう書くものなのかと勉強になりました。
作品に登場する悪役は体罰教師でどうしようもないクズですが、主人公は子どもなので抵抗できません。今であれば動画で拡散されて大問題になるようなことも、当時は日本中で日常的にあったのですね。
そんな体罰教師と主人公の闘いの記録です。これがシリアスな展開でいてコミカルにも描かれていて、暗いだけの話にならないようになっているなと感じました。
最後の許す場面は、許すから勝ちという子どもと大人の中間の視点を思い出して、わたしはハッとしました。
素晴らしい作品だと思います。
いろいろな楽しみ方があると思いますが、わたしは昔を思い出しながら楽しませていただきました。

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