第7話 疲れてるときに見る変な夢

 異世界にも文明、というか独自の文明を持っている。そして知的生命であればかならず待っている宿命。それが少子高齢化ッ。かの巨石文明が滅びたのもそれじゃねーの?って言われてる。(マジか)


 というわけでやってきました異世界市民課。


 今回は「受理証明書」なのであります。戸籍の届け出をすると、届け出を受理しましたよ~、という証明書です。ただし効力はかなり限定的でありまして。提出先によっては、新戸籍が編製されるまで待って謄本をって断られることもあります。

 婚姻や出生などで、届け出後5年間、届け出を出した自治体から証明。そして自治体によっては、特別なデザインや賞状みたいな用紙で特別価格で作ってくれたりするんですね。

 「詳しくは、WEBでッ」


「カぁットー! いいねーかわうぃーねえ、おつかれちゃん」


「スンっ(営業スマイルが消えてチベットスナギツネ顔になる)」


((WEBでっていうても異世界でもいったい誰が見るねん))


***


あるひの朝礼(業務開始前引継ぎ:転生しても只人族平たい顔類だったので夜間に動く住民課から引きつぎが発生するノデ)


「さてッ!本日からッ!受理証明書の書式に期間限定特別版が発行されるッ!

これで結婚ブーム、少子高齢化対策もバッチリなのじゃ!」


(そんなうまくいくわけねーだろ昭和か)


「......などと思っていた時期が私にもありましたん」

とりあえず営業スマイルで、奥さん役の異性と受理証明を見せびらかす私。

(あるわけないやん、妙齢の異性とケッコン(仮)とかー)

 周囲には明らかに実子でない「子供たち」が。ケモ耳とかエルフ耳とか角つの一本とか。

(遺伝子的な何かが違う決定的にちがう。いやいや特別養子縁組の制度が大幅に変わると、ありえなくは無いのか?それともさらに特別な特別養子縁組制度なのか?そもそも実親がすでに居ないとかそんなワケアリさんなのか異世界だけにッ)


「ハイ、カットー。まあこんなもんでしょ」

「であるか」

「大物感出してんじゃねーよ。役所の広報部の助っ人じゃねーか」

「ところで、どうやって動画公開してるのですか?」

「そりゃ電子情報の動画サイトにアップロードしてな」


......


「おーい朝礼ちゅうに居眠りしてるばあいじゃないぞ!」

「はっまさかの夢オチ?」

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転生しても住民基本台帳業務のちほーこーむいんだった件について約300年間の星と月が導くひとりごとの旅々。 @kaimon924

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