第5話:ミクロ。
「あっ!」
うっかり道路に居座るヨロイモグラゴキブリを眺めていたら、手からスマホが!
おぅふ、気持ち悪っ!
……じゃなくて! どうしよう、このままだと壊れちゃうよ!
……でも大丈夫! 見てて!
万有引力の証明を試みたスマホは、Q.E.Dを書く直前で筆を強制停止させられた。
一体何が起き……なんということでしょう。
スマホの大きさがどんどん小さくなっていくではありませんか。その大きさは標準的なサイズ(約6.1インチ)から遂に6.1ミリになってしまいました。
さてその結果は……?
――スマホは無事である。
どう? 凄いでしょ!
みんなは「終端速度」って知ってる? なんかね、物には落下する際のスピードがやがて一定になるポイントが存在するらしくて、そのことを終端速度とか終速度の法則っていうんだって! えーとね確か重力と空気ていこう? がおんなじになるとかナントカ……
どう、凄いでしょ。
ああ安心して? ちゃんと大きさは元通りになるから!
わたしはちんぷんかんぷんだけど、物の大きさを変える際には「ガルガンチュア」という装置の働きで、戻す際は「パンタグリュエル」で……それで――そうそう、ミニマイクロブラックホールを生成して圧縮? とかなんとか。でもどうやって元に戻しているんだろうね。
この前読んだ月刊「アー」には『ガルガンチュアとパンタグリュエルはビッグクランチとビッグバンをミクロサイズで引き起こして~』とかあって、使いすぎると終焉が待っているんだって。
……でもスマホが無事ならそんなリスク、たいしたことないよ。
スマホは高価、だからね!
あっ! ラジオ・K @radioK
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