とりあえず世界が滅亡する(おわる)まで

しあん

プロローグ

ブロロロロッ

廃墟に鳴り響く原付きのウナリゴエ。音こそうるさいが、歩くより速いし、疲れないからちょっと前、って言っても半年前ぐらいから愛用している。


人と暮らしていないと、時間の感覚がバグる。「バグる」の使い方が正しいのかはわからないけど、この前見つけた、いや、拾った本に書いてあったから、バカの一つ覚えのように、文章の中に入れたかったのかもしれない。それも定かではない。この滅亡しかけた世界では、色々なことがわからなくなる。何が正しいのか、何が嘘なのか。わからなくなる。それは、自分のことに対してもそうだ。自分のことなのに、自分に嘘をつくことがときどきある。例えば、この前考えてたことだと、

『もう本当は終わらせたいのかもしれない』

人生を。

実際もう、やることはなくなってきた。どうにも、私は人に頼っていかないとうまく生きていけないのかもしれない。ただ、あたり一面のクローバーの中で、一つだけ、たった一つだけの四つ葉のクローバーを必死になって探すように、一筋の、たった一筋の希望を必死に探すため、明確な目的とか目標はないけど、私はただ進む。ただただ進む。とりあえず地球が滅亡する( おわる)まで。

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