万引きを82回したあまね
二階堂あまねと付き合って二ヶ月たった。
6月の初旬。オレはあまねとスーパーマーケットに来ていた。
今日はあまねの家で、あまねがお昼ご飯を作ってくれる日だ。
オレとあまねはスーパーマーケットに入った。
オレはこのときなぜあまねが手ぶらでいるのだろうと思った。普通に考えると財布などを入れるバッグなどを持っているのが普通だ。しかしあまねは手ぶらだった。
そういうオレも手ぶらで財布などを持っていなかったが。
「今日ハンバーグ作るから」
あまねは言った。
オレは「あまねハンバーグ作んねんな、すごいな」と言った。
あまねはハンバーグの材料をカゴに入れ始めた。
そしてレジを通さず、ハンバーグの材料が入ったカゴを持ったままスーパーマーケットの外に出た。
「おまえ何してんねん。なんで金払わんねん」
あまねはこちらを見て言った。
「わたし金持ってないねん、お母さんにお小遣い貰われへんねん」
そんな事情があったとは知らなかった。それは虐待なのではないかと思った。
オレたちはそのままスーパーマーケットからあまねの家に向かった。
幸い、スーパーマーケットの店員には見つからなかった。
「わたし今日の万引きで82回目やねん」
「すごいなおまえ、よう見つかれへんかったな」
あまねの家に向かう途中、タクシーをひろった。
そのタクシーはあまねの親戚のオッチャンが運転していた。
あまねはそのオッチャンに万引きしたことをおもむろに告げた。
オッチャンは「オレが払っとくから気にすんな」と言った。オッチャンはあまねとオレをあまねの家に届けると、「じゃあな」と言ってどこかへ消えた。
おもしろい恋人 久石あまね @amane11
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。おもしろい恋人の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
病気だからって/久石あまね
★24 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます