籠の中の鳥
涼
羽根
一体 誰が 私をこんなに 不自由にさせたのだろう
一体 何が 私の羽根を こんな姿に 変えてしまったのだろう
自由…… それが何なのかも
今の私にはわからない
羽根…… それがあったのかすらも
今の私は覚えていない
心の中に
余計な 痛みが この世界に溢れ
誰も 傷つかなくていいのに
誰も 悲しまなくていいのに
すべてが傷つき 誰もが悲しみ
目の前にあるものに 怯えている
それさえ 罪になるのだろう
私は……
私たちは……
結局 誰しもが 籠の中の鳥
この 現実 と言う名の地獄に
置いてけぼりにされた 羽根無き 籠の中の鳥
『飛びたい』 『出して』 『自由が欲しい』
そう 叫び続けている
羽根ある 天使は こう呟く
「どうしたの?」
そんな可愛らしい顔で 私に 問いかけないで
「泣いているの?」
『泣いてない』
って言ったら 信じるの?
透明な何かが 頬を伝うけれど
これは 涙によく似た 水
私は 私たちは もう 泣く事すら 許されない
籠の中の鳥……
籠の中の鳥 涼 @m-amiya
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