第3話 使用人として働け
何が起きたのか、今の私には理解ができなかった。ただ飛東が頭から血を流して倒れ、殺した男は冷たい目をして私を見ているという状況だ。
なぜか私は飛東が息をしているのか飛東の肩を揺らして確認してしまった。
「ちょっと、あんた死んだの?ねぇ、」
「お前、こいつの仲間?」
冷たい目のまま私を見下ろす。
「仲間なんかじゃないわよ。ただ目の前で人が倒れたら確認するでしょ!」
目の前で起きたことが信じられず何度も生死を確認してしまう。
その行動がいけなかったか、男の部下らしい人が入ってきたとき
「
「了解。お疲れ。それとこの女連れていけ、殺しはするな。聞きたいとがある。」
「かしこまりました。」
浩然と呼ばれた男がそういうと私はまた腕をつかまれどこかへ連れていかれた。
なぜ私はこんなに連れていかれるの?
今まで懸命に家族のために働いてきた。
それでも私は家族を恨むことはしなかった。
恨もうとすらしなかった。
***
一日でこんなに歩いたのは初めてだ。
また別の大きい屋敷に連れてこられ、屋敷の一室で尋問的要素を多く含んだ質問をされている。(というかほぼ尋問なんだけど、、)
「本当はさっきの組織の一員だろ?早く吐いたほうが身のためだぞ。」
部下の男が聞く。
「だから、私は仲間なんかじゃないし、第一今日初めてあの敷地に入ったの!早く家に帰してよ!」
何度も仲間だと疑われ、何度も否定をしたがなかなか信じてくれずこの繰り返し。
さすがに嫌になってきた。
あの屋敷にいた理由を父親が借金を作ったところから説明しているのに、、、
すると、
「悪い、俺の勘違いだった。こいつは仲間じゃなかった。」
浩然が入ってきて告げた。
「だから言ったじゃない、私は仲間なんかじゃないって。」
私は勝ち誇ったような顔をした。
「じゃあ、私は家に帰るわね」
「まて、ちょうどよかった。今人手不足でこの家のあれこれやってもらう人がいなかったんだよ。ここで使用人として働け。」
帰ろうとした矢先、浩然からの一言。
「はぁ!?なんで!?」
「二度も説明させるな。人手不足といっただろ。それとお前は確か
そんな条件を出されてしまっては返事に迷ってしまう。
うぅっと迷っていれば
「ほら早くしなよ?俺そんなに待ってらんないんだけど?」
そう言ってせかしてくる。
家族には幸せで暮らしてほしい。それが私がここで住み込みで働いてかなうなら私は自分の犠牲を選ぶ。
「わかった。ここで働く。だからちゃんと家族を助けてください。」
「それじゃあ今日からよろしく。俺は浩然。」
こうして私はマフィアの屋敷の使用人として生活することになった。
売られた娘と恋をして ぽぽき。 @ss_skz
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