わがままにある為に

ブンブン丸

第1話

あなたは面白い人だ。


特有の秩序と、深い優しさを持っているあなたが好きだ。


あなたが様々なシーンで発揮する独特の判断基準は、あなたが私とは「少し似ているけれども、大きく異なる存在」なのだと気付かせてくれる。


いかに違うかということ。

それが、人から受け取る事の出来る最大の刺激だ。


あなたの動きを見るだけで、会話一つするだけで、噴き出しそうになるほど、それはとても面白いのだ。


私はあなたに愛想笑いなどしたくはない。

いつだって衝撃を受けたいし、噴き出したいし、怒りたいのだ。


どうかもっと、あなたの自己主張を聞かせて欲しい。


あなたのキラキラした希望も、なんでもない日常も、ザワザワする欲望も、もっと聞かせて欲しい。


あなたが言う、我儘な自分というものが、まさか、この程度のものということはないでしょう。


もっと欲しいものを欲しがって。

こちらの言い分など無視して、思うように生きて欲しい。

都合の良い未来が絶対にやってくる!と胸を張って言って欲しい。


理解出来てしまう程度の願望や、妥協した安寧など、どうでもいいんだ。


どうしても理解できない!と、早く言わせて欲しい。


どうしてそうなるの?と悩ませて欲しい。


あなたの内側にある、あなたの為だけの理想は、どれほど自由で無茶苦茶なのか。


考えるだけでも、ワクワクするんだ。


その心を持ってして、私の見飽きた世界を殴って欲しい。


そしたら、殴り返すけど、諦めずにもう一度殴って欲しい。


あなたが「我儘」だと言うのなら、我儘らしく。

私があなたの心を従順に受け入れるまで、あなたの主張を続けて欲しい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わがままにある為に ブンブン丸 @bunbun-maru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る