第17話

「ヒルデ様~この国の歴史覚えるって苦行じゃない?生きて行く上っで不要だよね?」

「入学する為には必要です!!」


学園入学する為に現在勉強中です。

そして、数学はハッキリ言えば余裕です。

勉強する意味ありません。

これぞ前世チート。

それに魔法・剣術が使えるので実技も問題無し。

他にも国語も問題無いです。

これ小学校卒業レベルだよね?と言いたくなる内容です。

問題は歴史・・・

この国の歴史って知っていなくても生きて行けます。

建国は神に選ばれた・・・マジでこれ覚えるの?

うんざりしつつヒルデ様を見ると溜息を吐きつつ私にアドバイス?をする。


「日本の歴史は解る?」

「何となく・・・」

「よく見て見ると日本史のパクリね」

「マジっすか?」

「初代国王の名前なんてジーム王よ」

「あ~」

「それにこれとか見て」

「え~と大臣のショートク卿が儚くなるとソーガ一族が・・・」

「解った?」

「何となく・・・このカマー・フォン・フージって人は若しかして・・・」

「まぁ前世の記憶が確かなら何とかなるわよ」

「それにしても現代にどう繋がるか謎ですね~」

「そこは元ゲームだしご都合主義?」

「サイデスカ・・・」


歴史の教科書を読み進め日本史と当て嵌めて行くと意外と解り易い。

ノブー・フォン・オーダ将軍が敵国の大群に立ち向かう際に奇策を持って勝利したが、その奇策が原因でダンジョンが出来た。

ダンジョンを作ったことで一時敵国から魔王と呼ばれた・・・

他にも類似点が多々ありそうだ。

ヒルデ様の方を見ると「どう?」と言うようにこちらに自信満々の顔で見ている。

歴史は何とかなりそうです。

そして、私にはもう一つの難関の行儀作法・・・

ヒルデ様がマジで鬼です。

「学園に行かないとミッション失敗よ~」と脅してきます。

まぁ貴族令嬢ほどの礼儀作法は入学段階では求められないとのことなので少しは・・・


「ローズ・・・行儀が悪いわよ!!」

「ヒルデ様厳しいです」

「令嬢レベルの礼儀作法に切り替えましょうか?」

「えい、結構であります!!」

、敬礼は駄目よ!」

「失礼致しました。ヒルデ様」

「やればできるじゃない」


まぁ時間はあるし何とか・・・なればいいな~


★~~~~~~★


アーネスト伯爵家令嬢となった私は貴族としての必要な教育を受けている。

お爺様は母に似ていない私の事を少し残念がっているようだ。

本当は他人なのだから似るはずはないのだがそれは言えない。

多分、父にも似ていないのであろう。

さて、それにしても現代日本で教育を受けた私にとっては歴史以外はあくびが出るほど簡単な物であった。

歴史は1から覚える必要があったが何回も繰り返し繰り返し歴史書を読めばその内覚えた。

それだけ時間の余裕があるのだから当たり前と言えば当たり前だ。

魔法も使える。

残念なことに氷結系の魔法は使えなかった。

本当の主人公なら使えたかもしれないが私は氷系の魔法の適性は無かったようだ。

代わりにと言うか私には炎系の魔法の適性があったようだ。


「お嬢様、今日は礼儀作法のお勉強となりますので準備を致します」

「よろしくね」

「はい、お任せください」


侍女が私を飾り付けて先生の訪問前には準備万端になる様に整えてくれる。

本当に至れり尽くせりである。


「ローズマリーには感謝しかないわね」


そう、私の現在の立場は彼女、ローズマリーから譲ってもらったものだ。

彼女は逞しいから貴族の立場など不要であろう。

そして、今はこの世界の主人公はこの私。

後はゲームの舞台となる学園に入学してからが本番だ。

ゲーム内の主人公は入学当初はお馬鹿キャラだったが、成長し最後は国を救えるほどの人物になったが最初から馬鹿である必要は無いと思う私は入学時からトップを取り続けてやる!!

神から与えられたこのチート能力があれば可能なはずだ。


★~~~~~~★


「こいつ面白いな!!」

「ん?何が?」

「此奴に与えた能力ってこの世界に呼び寄せた元此奴と同じ世界の人間たちの中では下から数えた方が速いよな?」

「まぁな~」

「それでチートとか思ってる、ぷぷぷ~ウケる~」

「まぁ現地人と比べれば能力あると思うぞ」

「ああ、その通りだな」


神たちが言う能力で言うと最上位はローズマリーで、ヒルデガルドも主人公のライバルキャラとして設定してあるので勿論の様に能力は転生者の中でも上位である。

マリーアンヌは転生にあたって願ったのは「この世界で主人公たちを眺められる立場」「1人でも生きて行けるだけの能力」「可愛らしい容姿」である。

ローズマリーと仲良くしていればローズマリーの専属メイドとしてアーネスト伯爵に雇われて「この世界で主人公たちを眺められる立場」を手に入れる事が出来たのかもしれない。

だが、彼女は主人公の立場を奪った。

そして、神たちはそれもまた一興と考え特に何もしなかった。

神たちにとって主人公が変わろうとも関係無いのだ歯車が変わっただけで回れば問題無い。

無責任な神たちによる人間劇場の観覧はまだまだ続くのであった。

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乙女ゲー主人公の生存戦略 ー主人公の座乗っ取られましたー 生虎 @221t2

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