第7話 身体が当たりまくる
「相原くん、強すぎ」
スマファミで対戦する俺たち。
西条さんは「ピンクの悪魔」ことクービィ。
俺は「脳筋ゴリラ」ことドンキーマン。
「西条さんも強いよ」
「むうー! 慰めは要らないよ!」
ぷいっと顔を背ける西条さん。
意外と子どもぽっいのかな?
「よぉし! もう一回だ!」
西条さんは負けず嫌いらしい。
「そうそう。そこでガードからダッシュして……」
西条さんと対戦しながら、指導していく。
これが一番、実戦的な教え方だ。
「おらおらおらー! やってつけてやる!」
勝負になると夢中になってしまうのか、全然違う人になってる……
もうちょっと話を聞いてほしいのだが。
つっ……!
隣にいる西条さんの肩が、俺に当たる。
ふわりと甘い匂いが鼻をかすめた。
「崖で待って復帰阻止をして……」
「倒してやる!」
熱くなりすぎて俺の言葉は耳に届いてない。
そして熱くなればなるほど、西条さんの身体が俺にアタックしてくる。
今度は柔らかい太ももが当たってきた。
「あ! 吹っ飛ばされた!」
俺は西条さんに勝った。
別の意味で負けそうだったけど……
「やっぱりAT様には勝てないやー」
少し落ち込んだ様子だ。
「西条さんも強かったよ」
「本当? あたしも素質ある?」
「うん。素質ある。俺も何度か追い詰められたし」
「え? あたしがAT様を追い詰めたの?」
「そうだよ」
西条さんは笑顔になった。
ちょっと顔が赤くなっている。
「すっごく励みになるー!」
「よかった」
「相原くんって、いい先生だね!」
人気Vtuberが底辺ゲーム配信者の俺の唯一の視聴者だった件。 水間ノボル@『序盤でボコられるクズ悪役貴 @saikyojoker
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