第6話 ニトロダケ
ニトロダケ納入の依頼を受けるためギルドの受付嬢に依頼書を渡す。
「ニトロダケ納入ですね。基本的な依頼です」
「物事は基本に始まって基本に終わるんだよ」
「何事も基本が大事だよね」
イシュタルはそのように言うと依頼書の詳細を尋ねた。
「ニトロダケを十本納品でいいんだよね?」
「はい」
「サブクエストとかない?」
「二足歩行の小型竜を倒すとサブクエスト報酬が貰えます」
「小型竜か」
小型竜とは翼のない敏捷な肉食流でなかなかに強い。レベル1の冒険者では歯が立たないだろう。
「サブクエストは諦めだ。ニトロダケを採取するよ」
「それがよろしいかと」
「ちなみに報酬は銀貨八枚なんだよね」
「ええ、日帰りで帰ってこれれば日給銀貨七枚です」
「二日かかったら日給銀貨四枚か。まあ、吉田の冒険者レベルで期待をしてもね」
「二日がかりでも大丈夫だぞ。俺には『通販』のスキルがある」
「そっか、ダンジョンでも美味しいものが食べられるんだね」
「そういうことだ。猫を捕まえた報酬があるし、美味いものが食べれるぞ」
「まじでー」
と全身の水分をよだれにするイシュタル、彼女は食いしん坊なのだ。
「それじゃあ、ニトロダケ納品を受けます!」
受付嬢にそのように宣言するとはんこを貰える。
「これであなたたちはこの街の付近にある灰と褐色銀のダンジョンに入る権利が得られます」
「ダンジョンに入るにはギルドの許可がいるんだな」
「はい。ダンジョンは危険ですからね。この世界にある八割のダンジョンはギルドの管理下にあります。ですがご安心ください。灰と褐色銀のダンジョンはその中でも初心者に適したものです」
「それは有り難い」
「たとえ全滅をしても復活専門の司祭が巡回をしており、復活の呪文を掛けて貰えます。もちろん、高額の料金を請求されますが」
「なるべく死なないように気を付けるよ」
そのように言い放つと俺とイシュタルはギルドを後にした。食料は通販でどうにかするから、冒険に必要な松明やら寝袋を買うのが主な仕事だった。
一通り冒険道具を揃えると街の郊外にある灰と銀褐色のダンジョンに向かった。初心者向けらしく街からとても近く、利便性のいい場所にあった。
これならば強い魔物はでまい。そのような確信を覚えながらダンジョンに入った。
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底辺冒険者のS級グルメ冒険記 ~チートスキルはいらないので異世界でも日本料理を食べさせてください~ 羽田遼亮 @neko-daisuki
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