いなかのお医者さん

晁衡

いなかのお医者さん


 俺は今までずっと都会ぐらし。転勤でも小都市ばかりだ。

 いなかの体験はそれほど記憶にない。



 これから私に襲いかかった恐怖の体験を語りたい。



 俺は、新潟県西蒲原郡のとある街に赴任した。まだ独身の頃である。


 俺は職場の検診を受けた。

 検便の検査結果が、「便潜血」と書いてある。

 医者に行けと。


 俺は、このような田舎でどんな医者に行ったらいいかよく分からない。検診の看護師は「便潜血なら精密検査かな?そうそうあの病院ならいいわ」

 と軽く言われた。


 俺は、保険証を持ってその病院に向かった。


 なにせ田舎の病院だ。新潟県西蒲原郡。

 古めかしい無機質な国道沿いのコンクリート造りの病院だ。


 ジジババ……もとい、待合室にいるのはおじいさん、おばあさんだらけ

 若い者は俺しかいない。


 診察の医師は大学から派遣らしい。新人ぽかった。

 でも、新しい知識や適切な解説でわかりやすかった。


 「大腸内視鏡検査ですね」と言われた。


 「大腸内視鏡って、お尻からカメラを入れるヤツですよね。前も一回やったことがありますが。あまり痛くないですよね」


 「そうです。あとで下剤が院内薬局から出ます、看護師から説明があると思います。その手順を守って、○日に来てください。手順と違うと事故や、やり直しになりますので、かならず手順は守ってください」


 俺は、その手順を通りにして病院に来た。下痢ピーでもうお腹の中はスッキリデトックス。 もう何も残っていないだろう。


 俺は、内視鏡室の待合室に行った。


 それがとてつもない恐怖の始まりだった。


 内視鏡担当医の名前をみたら、なんかキラキラネームな女性の名前が書いてある。あれ、この前に診察した医師、男性ドクターではないのか?


 俺は、中に呼ばれた。看護師から説明を受けた。

 「緑内障とかありますか?」

 「ちょっとこの前に疑いと言われていますが」


 「先生に話をしてみます」

 ……

 「先生は、腸の蠕動を止める薬を使うのは今日はやめましょう。あなた若いから大丈夫ですよね、と言われました」


 以前に、俺は新潟市のがんセンターで内視鏡検査を受けたことがある。その時はベテランの感じの男性のお爺ちゃん先生で、痛くもなんともなく、そんな薬などはつかわなかった。


 看護師から説明を受けて、俺は検査ベッドに登った。


「よろしくおねがいしまーす」


 なんと、検査担当医は20代くらいの若い女性だ。


 フェイスガードをつけているけど、バッチリメイクをしている。マスクをしていて目しか見えないが、明らかに若い。


 俺は、一抹の不安を覚えた。


 内視鏡カメラをウインウインさせて、こんなのです、と俺に見せた。


 いよいよ始まる。


 「いきまーす!」


 プスッ


 肛門に内視鏡カメラを突っ込んだ。

 なんともいえない快感……


 なんか、がんセンターのお爺ちゃん先生とは挿入の感覚が違う。

 大人のオモチャをお尻に突っ込まれるというのは、こういう感覚なのか?


 そのあと、カメラは、のたくりながら俺の大腸の奥まで入っていく。

 

 うっ。なにか苦しい…………

 

 「先生、ちょっと苦しいです」

 「そうですか、まあ、でも、このまま行きましょう」


 へ?

 なにか、この前の検査と違うな。


 俺は、このドクターがSMプレイの女王様に見えてきた。

 かなりの佐渡(サド)かもしれない…………


 ウッ……

 これは、…………触手を突っ込まれるというのはこういう感覚なのか!


 おれはアダルトな漫画で、触手に絡まれるような絵を見てきたが、

 俺はまさにその瞬間を迎えている……


 うっつ・・・

 俺はベッドの手すりを握りしめた。腸のどこかのカーブを曲がるようだ。

 

 俺は、こんなハードなプレイは体験したことない。

 なにかクセになりそうだ


 肛門のあたりをスルスルと滑り込む触手……もとい、大腸カメラが、なぜかここちいい


 いかんいかん


 時折、その若い女性ドクターはガスを注入しているようだ。お腹が張る。


 「ガスは出してもいいですよ」


 「いいんですか?」

 ブッと俺は屁をした


 若い女の子の前で屁をするとは恥ずかしい……スカトロかよ


 呼吸が荒くなってきた。

 ハードプレイはさすがに苦しい


 看護師さんが「過呼吸にならないようにゆっくり呼吸をしてください」


 その若い女性ドクターは

 「やっぱり薬を使おうかな?」


 なんだ、蠕動を止める薬を使えるんじゃないか。


 相当なサドな女王様だ……いやドクターか


 すこし楽になった。早く薬を使えよ…………もう


 一番奥まで内視鏡が到達したらしい


「さあ、これから帰り道ですよ。ポリープらしきものがあったので、切っていいという同意書をもらってますけど、いいですよね?」


 俺はこんなハードプレイをまた味わってみたいとは思ったが、さすがにまた下剤を飲むのはイヤなので「すぐに切ってください」と答えた


 するすると触手……もとい、カメラが肛門をすり抜けていき快感だ……


 「ポリープめっけ!切りますからね、ぷっつん」


 

 それ以降、俺はずっと手すりを握っていた。

 ポリープは2つくらい切り取ったらしい。


 ああ、肛門を抜けるカメラの感覚が快感だ。すこしずつ楽になっていく。

 天に舞い上がるようだ


 旧ナチスドイツの女性将校が捕虜を拷問する映画を思いだした。

 まさに、目の前の、キラキラネームの若い女性ドクターがそれだ。


 俺はまな板の鯉……なにやらお腹の中を切り刻まれているのか

(実際はポリープの内視鏡手術)



 するっ…………


 カメラが肛門から完全に抜けた。


 ハードプレイが終わったようだ。


 プレイ時間もとい、検査手術時間は30分と言っていたが、

 SM女王様……もとい内視鏡担当の女性ドクターは、プレイ時間は厳守だった。

 

 外には、プレイを待つ次の男が待っていた。


 終わってみたら、もっと俺を痛めつけて欲しかった

 きゃっハーという顔は残念ながらマスクに隠れていた……


 俺のはじめてのア○ルセッ○ス体験…………ちがーう!


 この前のがんセンター内視鏡のドクターにはそんな感情は持たなかったのだが。


 クセになりそうだ


 また、あの女性ドクターから内視鏡検査をやってもらいたい

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いなかのお医者さん 晁衡 @monzaeshi

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