第25話『禁書庫①』
-ユニークスキル『空間術・ポータル』を習得しました-
(まただ、やっぱりスキルの事を知る事でそのスキルを覚えられる伸ばす間違いないな)
「お前もいずれ覚えられるかもしれないな、空間術・・・使えるだろ?」
「何で・・・」
「わかったか・・・か?マジックバッグはトレジャーミミックの魔石が埋め込まれてる。魔石はマナの塊まであり、当然マナが宿る。でも、君がバッグに手を入れた時、バッグ自体にマナが視えなかった」
トレジャーミミック、ダンジョンの宝箱に擬態する魔物。
開けた者を見境なく食べて異空間内で保存する習性がある。
箱のサイズによって内容量に限界があり、異空間内は時間が止まった状態になっている。
「ユニークスキルを持っているだけで貴重な人材だから、隠す奴も珍しくはないね」
「面倒事は嫌いなので」
「賢明だね、貴族は面倒くさいのばっかりだ。それより、私は君に興味がある!」
ズイッと身体を乗り出すユーリにコウは困惑する。
「とりあえず、ローブ着て下さい!それに、俺は記憶喪失のただの子供ですよ?」
「自分を子供だと理解しているのは非常に好感が持てる。ただし、ただのの部分は訂正が必要だね。未知の適正ジョブを持ち、プライマル・レインボードラゴンを倒すのはただの子供とは思えない」
「何故それを知ってる!?それにドラゴンの名前まで・・・」
「落ち着きたまえよ、私はマナが視えるんだ。あの時、巨大なマナが森に現れたのはわかっている。あの場所はダンジョンがあってね、そこにいたのがそのドラゴンなんだよ」
ダンジョンとは、各地に自然生成される迷宮の総称である。
上方へ登る物、地下へ続く物、上下無しの超巨大迷宮と様々なタイプが存在する。
ダンジョンは異空間とされており、突如何もない空間に扉が現れその先が巨大迷宮だった・・・なんて事も当たり前である。
ダンジョンにはダンジョンを生成したコアが存在し、そのコアを外へ持ち出す事で消滅させる事が出来る。
一度取り出したコアはダンジョン生成能力を失うが、凝縮されたマナは残る為、エネルギー源として用いられる。
なお、現時点でコアがどの様に生まれているのかは解析出来ていない。
「君がいたあの岩山、あそこは現在攻略中止中のダンジョンで、中止理由がそこに居座っていたあのドラゴンだったのさ」
「そう・・・だったんですね」
ユーリは警戒していた巨大なマナが一瞬で消えた為、独自に調べてコウを見つけたとの事。
「あの日、あの時間にダンジョン付近の素材を手に入れていたのは君だけだった。私の予想は大当たりだったわけだ」
(ハメられたぁ・・・)
楽しげに笑っていたユーリだったが、スッと真面目な顔つきを見せた。
「本来、ダンジョンは特殊な結界により人の出入りは出来てもダンジョン内で産まれた魔物や魔獣は外には出られない。考えられるのは3つ、ダンジョン外で産まれたドラゴンがダンジョン内に居座ったか、あのドラゴンが特殊個体だったか・・・だ」
最強にされた転生者 紅陽 流美菜 @kouyou_rumina
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。最強にされた転生者の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます