ホントだよ?ホントだからね!?
門出の日から約1ヶ月。
今度は新たな門出を迎える日が来た。
そう、入学式である。
「新緑が日にあざやかに映る季節となるなか、私たちは今日、この庭蓮第一高等学校の門をくぐりました。私はこれからの3年間、庭蓮第一高校の名に恥じない生徒として勉学、部活動、行事などに取り組んでいきたいと思います。
今ここにいる仲間達と共に、先輩達や先生方のご指導の元全力で取り組んでいきます。
どうか、ご指導のほどよろしくお願い致します。
また本日は私たちの為にこのような立派な式を開いてくださりありがとうございました。
新入生代表、橘 愛美。」
そんな代表挨拶を聞きながら兄弟はそれぞれのことを考えていた。
「これからは兄貴に頼らなくてもいい、様になるんだ。じゃないとダメになっちゃう...。兄貴と同じにはなれなくても、せめて兄貴の後をついていくのをやめないと!」
「ふふふふ、この一年また紡と一緒にいられるのか...最高じゃん!登校も下校も昼食も、ふふっこの為に2年間を過ごしたんだ、待ってろよ!俺の推し活学校ライフ!」
かわいそう...。
自立しようとしてる紡くんに対して常に一緒にいたいとか、メンヘラヤンデレ束縛系キモ童貞じゃない。
二人の思いはすれ違いながらそれぞれの高校生活が始まる。
―――――――――――――――――――――――
クラス発表がされ各々が新しいクラスに馴染むように話し合う。
高校3年生にもなればほぼグループも決まっている。
一誠は1人で席に座り、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながらスマホの画面を眺めていた。
「いや〜、ほんとに紡はいいよなぁ〜。まじ神!まじで紡のお兄ちゃんで良かったぁ〜!」
1人でボソボソとつぶやくように独り言を吐く一誠。
やーい!ぼっちぼっちー!
ついに貴方のダメなところ見つけたわ!学校でぼっちなんて辛いでしょうね!2年間も紡くんのことばっかり考えてるからそうなるんだよー!やーいやーい!...え?わたし?わ、私にだって友達くらいいましたー!ホントだよ?ホントだからね!?そんな悲しそうな目で見ないでよ!
「はぁ、一誠また弟くんの写真見てるのか?よく飽きないよなぁ〜。」
一誠に話しかける男子が一誠の前の席に座っていた。
わかってましたよーだ!どうせ友達いないのは私くらいですよ!どうせ私はぼっちですよ!(泣)
「飽きるわけないだろ、紡からはツムニウムってマイナスイオン的なやつが出てるから見るだけで最高なんだから!」
「なんだそれw新発見じゃん論文でも書けば?」
一誠の言葉に冗談で返す男子生徒。
彼の名前は藤崎裕二。
大柄で黒髪の短髪が似合う好青年だ。
「論文もいいかもな。ノーベル賞は確実だろう。」
「そういうこと言っちゃうから周りから引かれるんだからな。」
藤崎くんわかってるー!友達になれそうね!
お前じゃなれない?そ、そんなことないもん!私だってやればできるんだらね!
「それより聞いたかよ、新入生にめっちゃ可愛い子がいるんだってさ。」
「へー。」
「お前なぁ、もうちょい弟くん以外に興味持てよ...。それに新入生なら弟くんと付き合うって可能性もあるだろが。いや、それだといやなのか?」
ハッとした顔になって一誠が顔を上げる。
「それだ!なんだよ藤崎!たまにはいいこと言うじゃないか!」
「は?何が?」
「つまり!
「いや、それはキモくないか?」
拗らせクソブラコン童貞に光明が差した瞬間であった。
―――――――――――――――――――――――
どうもー!友達が沢山いて予定埋まりすぎて困っちゃう天の声です!
嘘つくな?ついてないし!スケジュール帳めちゃくちゃ埋まってるんだからね!
パラパラ...。
嘘、今まで1度も書き込まれてない?
いいもん!今日のご飯はもやしときゅうりの和え物があるんだから!
給料は絶対にあげてやるんだから!労基よ!労基!
次回〜私達は公正に判断しています〜
お楽しみに!
更新遅くなってしまって申し訳ありません。
落ち着いたらまた再開致します。
兄の兄による弟(半分兄)のための恋愛プロデュース 宇治抹茶ラテ @kamabo
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