茜川の柿の木後日譚――姉の夢、僕の願い* 【トゥルーエンド】

あとがき

　茜川の柿の木後日譚――姉の夢、僕の願い* 【トゥルーエンド】をお読み下さり誠にありがとうございました。

　いかがでしたでしょうか。これが一番みんなの傷が浅く誰も死なないエンディングです。優斗も、愛未も、彩寧も。将司なんか存在すらしません。

　ただ電話のシーンでは何かを匂わせてはおきました。それが何なのかはお読みになった皆様でご随意に想像なさって下さい。

　ラストの写真の彼についても敢えて何の説明もしないでおきました。これでもう充分にわかりますよね。

　これから愛未と優斗の姉弟はどうなっていくのでしょう。結局物理的に疎遠になっても、心理的には誰よりも近しい存在としてあり続けるのかも知れません。

　あるいは本当にその存在が遠いものとなり、ただ遺伝的に姉弟であるだけの存在になってしまうのかも知れません。

　それについても皆様で想像を巡らせていただければとても嬉しいです。

　拙作は「茜川の柿の木後日譚――姉の夢、僕の願い【ノーマルエンド】」を書きあげた時のもやもやが書く動機になりました。

　姉弟がその想いを遂げられないのもどこかかわいそうに思いましたし、【ノーマルエンド】のように姉が死ぬのもどこか納得がいきませんでした。

　そこで姉弟が添い遂げる最悪のストーリーを【バッドエンド】、姉が死なず、かつ姉弟がギリギリのところで背徳の禁忌に堕ちないストーリーを【トゥルーエンド】として掲載しました。姉の弟への想いは強く、どうしたものかと思いましたが、逆にその愛未の方から優斗に「別れ」を切り出せばいいんだ、と思い立ったところで後はすいすいと進みました。

　こうして書き上げた拙作、ストーリーが途中で分岐するというかなり邪道なスピンオフとなってしまいましたがいかがでしたでしょうか。

　私としては【ノーマルエンド】でもやもやしていたものが解消できてすっきりしました。

　割りと燃え尽き気味です。さらには「姉ちゃんロス」でもあります。愛未は今までで一番のお気に入りキャラかも知れません。燃え尽きながら書いている次回作は多分百合です。久々の百合なんでちゃんと書けるかなあ……

　それでは皆様も良きカクヨムライフを！