第1話

『拝啓

 お母さん、お父さん、

 先立つ不幸をお悔やみ下さい。』



僕は冬休みにそんな遺書を残した。

そして死んだんだか死にかけたんだかしたらしいがそこら辺のことはあまり覚えていない。


一人の少女と出会い、別れ、魅せられ、魅入られた。出会いという新しい風が別れという形で僕の全てをかっさらっていった。そして僕は半分死んで今の一般的で健全な高校2年生をしている。


​───────​───────


人の一生というのは分からなものだな。

いくら占いで「明日、お前の人生を揺るがすなにかが降り掛かってくるだろう」と言われたとしてもまさか女の子が降ってくるとは思わなんだ。


事実は小説よりも奇なりと言うがやはりその通りなんだろう。まあこの場合は先輩がいるからなんとも言えないが。

『親方〜空から女の子が!』



「助けていただいた…もとい、下敷きになっていただいたのには感謝していますが、いえ、謝罪しますが些か話が長くないですか?正直くどいです。」


「辛辣だな…しかも下敷きって言い直さなくても…」


「確かに下敷きにして差しあげたのに謝罪するのもおかしな話ですね。では感謝の言葉をいただきましょうか、『花の女子高生のおしりに敷いていただきありがとうございます』ですよ、はいどうぞ」


「花の女子高生のおしりに敷いていただきありがとうござ…はっ、自然に言葉を受け入れてしまっていた…」


「貴方本物の変態ですね…正直引きますよ。顔が引き攣りますよ。」


「舐めてもらっちゃあ困る、僕のどこがそこら辺の変態と一緒だって?僕は確かに変態ような基質を持っている。だがしかし!真摯で紳士な要素も持ち合わせている。つまり僕はただの変態じゃない!変態紳士だ」


「へー、気圧されて言葉も出ないですよ本当に。さっき引きますって言ったの嘘です。冗談です。ドン引きです。私は運悪くとんでもないケダモノを尻に敷いてしまったんですね…」


「僕はケダモノじゃない確固たる紳士だ。

ところで、というか今更すぎるんだけども、何がどうしてお嬢さんは空から降ってきたんだ?」


「お嬢さんって呼び方気持ち悪いですね」


「じゃあなんて呼べばいいんだよ」


「確かに自己紹介はまだでしたね。貴方に名前を教えるのは吐くほど嫌ですが、しりに敷いてしまった以上仕方ないですね。私は櫻下蹄、高校2年生です。お好きにお呼びください。


「僕と同級生か、じゃあ櫻下、お前はなぜ空から降ってきたんだ?」


「致し方ないですね、ではお話しましょうか…」


・・・・・・・・


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