第3話
「亜晶斗君が高校生の時、交通事故により両親と死別、その時一緒にいた祖母は事故で下半身麻痺になり準寝たきりで要介護3。
祖父はそのせいか認知症が酷くなり最終的に認知症度Ⅳ。
高校を辞めヤングケアラーとなり3人で生活をする。
ここまではいい?」
僕は頷くと、
「君の献身的な介護により祖父は95歳、祖母は98歳まで生きた。
祖父の介護が終わるまで18年、時に暴言や暴力を受けても君は立派にやり遂げた。
この時37歳。
祖母の介護が終わるのはそれから4年後、41歳。
徘徊老人が持っていた果物ナイフで脇腹と両太腿を刺され入院、42歳。
生前祖母が利用していたデイケアセンターに就職、出勤途中で逆走車に撥ねられ、43歳。
そして…
デイケアセンターで利用者と一緒に七夕飾りを作っていた所、背後からテープカッターを持った利用者に後頭部を殴打され死亡、享年45歳。
君ほど劣化した魔力の元に晒され、その都度生き残っていた人間は他にはいない。」
カナタさんは僕の反応に気を付けながら、僕が如何に認知症と触れていたかを伝える。
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認知症度Ⅳは、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とされる状態です。
◯異食行為(食べ物ではないものを食べる)
◯何かを行おうとするが行動に結び付かず暴言・暴力を行う
◯不潔行為(排泄物を体や周囲に塗る・撒く)
等があります。
認知症は記憶力の低下がよくいわれますが、脳の萎縮や脳細胞の壊死などで判断力の低下、運動機能の低下、人が変わったかのような性質になる事もあるそうです。
この世界のせいで異世界が滅ぶかも知れません @chikuwazukineko
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