この世界のせいで異世界が滅ぶかも知れません

@chikuwazukineko

第1話

「ちょっとここどこ?」


先程まで仕事をしていたはずなのに、辺り一面真っ白な世界に僕は居た。


周りに何も無いせいか、どちらが上か下かも分からない。


周りが何もないせいか、時間の概念も無くなってしまう。






どれぐらい経ったのだろう。


五分?十分?それ以上かも知れないしそれ以下かも知れない。


突然黒い光が集まったかと思うと、それは逆さまだが人の形になり、次第に色が付き明確に人と認識出来るように成っていく。


その姿は幼女だった。


男性にしては高く、女性にしては低い声で、


「やあ、遅くなってごめんね…というかなんで君は逆さまなの?」


その瞬間、衝撃と共に頭から落ちた。


「痛ててて、首はもげてない。

地面もある。」


頭と首を擦りながら、幼女に向かい直す。


「ちょっと立て込んでてこんな所呼び出してホントごめんね、馳川亜晶斗《ハセカワアラト》君。」


「あの~、どちら様でしょうか?」


「一般的に言うと…神様の代理の補佐をしている人の所の係長よ!」


ドヤ顔で幼女は言うが、


「何ですか、その知り合いの知り合いみたいな言い方は…

こういう場合は大抵神様じゃないんですか?」


「バカにしてるね~。

いいわ、簡単に言うと輪廻転生に携わる部署の係長よ。

亜晶斗君、意識を残したままでゴキブリへの生まれ変わりに興味ある?」


「申し訳ございませんでした!!」


ジャンピング土下座です。


自分に非がある事に謝罪する、当たり前の行動です。


決してゴキブリへの転生に恐怖した理由ではないです。


自分が間違っていた、その謝罪です。


大事なことなので2回言いました。


「そんな事より亜晶斗君、異世界がピンチです!!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る