十一輪

白いドレスのいちご姫。

頭に緑の葉の冠を頂いて。

その身を飾るは朝露の真珠。

お髪の可憐な白の花。

ふうわりやわらかな土の玉座に

ちょこんと座って

今日もとっても愛らしく

おひさまに向かって手を伸ばす。

「はやく大人になれますように」

少女の願いを聞きとげて

おひさまは姫をやさしく見守った。

数日後。

赤いドレスのいちご姫。

頭の緑の葉の冠も

お髪の可憐な白の花さえ

土の玉座に置いたまま

そのまま何処かへ消えちゃった。

いったい何処へ?


大人になったいちご姫。

通りすがりの大好きな小鳥に

そのままペロリと食べられちゃった。



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徒然花 はるむら さき @haru61a39

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