学歴厨、始めました!!

狼男

第1話

 早坂亮は大学1年生だ。早坂は学歴コンプレックスを患っている。原因は彼が進学校出身の落ちこぼれだからである。

 早坂の同級生で優秀な人は旧帝大や早慶と呼ばれるような大学群に一般入試で進学していた。

 一方で、早坂の大学には、推薦入試で合格した人が多数いる。一般入試の合格者はほとんどいない。

 早坂は公立の進学校にいた。2年生の頃から、不登校になり、そこから成績がバブルが弾けたころのように下落した。今まで見ていた模試で国立大学A判定がE判定に変わった。

 彼は、大学入学後、変わろうと決心した。就活で情報収集したり、アルバイトやサークルに精を出したりした。不幸かな、関わる人の中にも学歴コンプレックスを刺激するものも多くいた。

アルバイト先の人に高校名を聞かれて答えて、落ちこぼれやねとストレートで言われることもあった。

先輩から「何でこの大学に来たの?」と言われるのも辛かった。

もちろん、SNSにも自分の大学名はのせない。できれば、高校時代の同級生とはかかわりたくない。

 早坂は夢で自分が再受験するのを何回も見させられた。これは神様による運命のいたずらなのかなとも思った。

 早坂が大学入学後にはまったのは読書だった。

そこから、小説家になりたいという夢を持った。

しかし、小説家の経歴を見ると、一流大学の文学部をでている人が多いことに気づいた。

 早坂は大学入学後に、小説家になりたいという夢を持った。高校時代にこの夢を持っていたら、文芸部に入ったり、図書館にこもったりしていただろう。

 SNSで仮面浪人をしている人のアカウントを見つけたら、積極的にフォローしている。

 早坂にとって、大学受験は成功体験ではなく、挫折体験になっている。

 英語の資格をとって自信を取り戻そうとしたが、英語を勉強する楽しさを見いだせず頓挫するのであった。

 大学のスピーチコンテストや書評コンテストに応募するも、あっけなく落選した。

大学で、特待生という肩書きがあるものの、何も賞を取れない彼にとって自己肯定感もどんどん下がっていった。

同級生の出身高校の偏差値は40から50が多かった。自分の偏差値からこの大学にくるのは異常だということを思い知らされた。

早坂は、大学で友達を作ったが、面と向かってコミュ障だと言われ、喧嘩して絶交することになった。

サークルに入るも、人間関係のトラブルが怒り、辞めることになった。

学歴フィルターの心配もあった。就活で失敗するのが恐ろしかった。先の心配をしてもしょうがない。

 早坂は、不思議なことかこういった感情を同級生と共有ことはなかった。ただ1人、相楽裕翔を除いては。相楽は同じく早坂よりは少し偏差値は低いが64くらいの高校を出ている。

そいつと入学式で友達になった。そこから、学歴の話になり、こいつになら打ち明けてもいいと思えた。相楽は、早坂のことを地頭の良い人間だと思っていた。

早坂は、ネットで高学歴と呼ばれるような大学群に属する人と話した。単に自信がないだけではないかとも言われた。このままだとどこにも就職できないと煽り口調で言われた。そして、ブログをやることを進められた。その人からは、人生の目的を一緒に考えてもらった。至った結論は、「歴史に名を残す」だった。

そこからは、ブログを更新し続け、140人フォロワーができた。しかし、早坂は友達にブログをやっていることは黙っている。

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