12月8日に起きる事!!!
立花 優
第1話
令和9年の12月8日。
私の高校時代の同級生で、現役で日本最高峰の帝都大学法部に合格した荒木秀一から、意味不明のラインが朝から何度も送られてきた。我が高校、始まって以来の、異常で最高の秀才であった荒木からだ。
届いた文面は、
「ハメ、ハメ、ハメ……」の、連打であった。
「荒木、一体何だこのラインは?」
「お前は、日本人だろ。今日は、真珠湾攻撃の日だ!トラ、トラ、トラを知らんのか?」
「それぐらい知っているよ。だから、もう一度聞くが、一体何なんだこのラインの意味は?」
荒木から、即座にラインで返事が返ってくる。
「我、不同意性交に成功せり!!!」との、ラインの返事。
「イヤ、何馬鹿言ってんだよ、冗談は止せよ!」
「いや、朝方、通勤途上の、現役女子高生をやったんだ。アハハ」
これは、絶対に変だ。ラインとは言えまるで狂人の哄笑のような返事では無いか。
ホントの軽い冗談なのか?それとも荒木は本当に狂ってしまったのか?
「今、どこにいるのだ?」
「ああ、全く何処か分からないが、何故か非常に狭い部屋だ」
「警察か?」
「いや、白衣を着た医者が、さっきこの俺に注射をしに来たなあ……警察では無いだろうなあ……」
「では、荒木、窓から何か見えないのか?」
「それが、鉄格子が多くて、外の様子がよく分からんのだ」
「って、それは精神病院じゃないのか?」
「馬鹿な!何で超一流の帝都大法学部にトップで入ったこの俺が、本人の同意も無くこんな小汚い病院に入れさせらてれるんだよ?」
だが、その日の昼のニュースで、現役帝都大学生が通学途中の現役女子高生を襲ったと言っていた。
勿論、通行人は多数いた。しかし通行人の誰もが、全員あっけにとられて、誰一人も止めに入れなかったと言う……。
荒木は、現役の女子高生を襲って、わずか数秒で満足そうに最後の一滴を絞りだしたと言う信じられ無いニュースだったのだ。
で、荒木は、そのまま、現行犯逮捕後、あまりに意味不明の言動を連発したため、二名の精神科医の鑑定の後、強制措置入院させられたと言う。
更に、同時に、近くの某独裁国家が、近隣の独立している島国に一大総攻撃をかけたとの、ニュース速報も同時に流れてきたのだ。
もう、この世の終わりの始まりなのか、この私には到底理解出来なかった!!!
「ハメ、ハメ、ハメ……」とかの文面を見て、私は、全身の力が抜けて行くのを、ただただ、ボンヤリと感じていた。
「そう言えば、今日は真珠湾攻撃の日だったな!!!
荒木は、女子高生を襲い、隣国の独裁国家は、近くの島国を襲ったのか……。
ならば、この俺は、誰を襲えば良いのだ?」
……フト、アパート近くの、保育所が、頭に、浮かんだ。
12月8日に起きる事!!! 立花 優 @ivchan1202
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます