まさかの絶望的な状況に涙
前回、退院する際も先生から「くれぐれも感染症と怪我には気を付けてください。」と言われていた。
実家には2人の孫たちがいる。
二人とも小学生で今は夏休みに入っているから登校していないが、感染症には注意が必要だ。
そうは言っても、時代はコロナ禍。
一歩外に出る以上、誰が感染するかわからない時期。
かと言って外に出ないわけにもいかないので、出来る範囲で予防するしかなかった。
そんな中、3クール目の抗がん剤治療がスタートした。
その副作用で今回も白血球の数値が著しく低下した父。
つまり今回も入院期間が長くなるという事だ。
しかしここで事件が起こってしまう。
父はいつも入院する際には必ず個室を希望する。
どんなに高くても個室じゃないと嫌だという父である。
しかし今回は個室が空いてなくて、しぶしぶ4人部屋に入院していた。
入院して3日後、父から母に電話が入る。
「病棟の様子がおかしい。看護婦さん達がバタバタしている。4人部屋のうち2人が部屋からいなくなったぞ。」と。
そう。
父が入院している病棟でコロナのクラスターが発生してしまったのだ。
とても大きな病院。
その中で、父が入院している病棟でクラスター発生。
そして翌日、父も感染してしまった。
患者5人が感染したが、その中に父も入ってしまったのだ。
母から、父がコロナ感染したと連絡がきたときは
「なんで?」、この一言に尽きた。
病院にいるから大丈夫だと、そう信じていた。
どこにぶつけたら良いのかわからない思いが涙に変わって溢れてきた。
なんで入院しているのにコロナに感性したの。
なんでよりによって父の病棟なの。
なんで今なの
なんで父なの。
自分勝手な「なんで」が止まらなかった。
正直、すごく腹が立った。
そして悔しかった。
もうこのまま父に会えないのではないのかと。
辛くて悔しくて腹が立って声を上げて泣いた。
父は今を生きている @chihiro_aruru
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