大惨事世界大戦!!!

立花 優

第1話

「核だ、核だ、核兵器だ、核兵器はまだか?」






 と、一人の狂人らしき人間が、「日中」に、手持ち式のライトで、机の上をガサガサ漁っていた……。完全に取り乱していた。






「ヒトラー総統、核兵器の完成はまだまだです。我が国の原爆開発チーム「ウラン・クラブ」所長のハイゼンベルク博士からは、完成の報告、まだ、全くありません」






「しかし、もう時間が無いのだ。ソ連軍も連合軍も、もうドイツ国内に侵入しているんだぞ。一体何をしているんだ。V2号ロケットは既に出来ているのだぞ!!!」






「そ、それは、分かってはいますが……」






「おお、神よ。神は、この余を見捨てるのか……、神よ、神よ、神よ!!!


 この巨大な第三帝国を作った神よ!!!」










 それから、約80年後、この日本で、同じ、光景が繰り返されていた。






 既に、超超タカ派の総理大臣が、誕生してしまっていたのだ。






「核、核のボタンを持って来い。これは最終命令だ。既に、隣国は、全ミサイルの発射態勢に入ったと言う情報が、アメリカから届いている。


座して死ぬ訳にはいくまい。


こうなれば、こちらが先に戦術核攻撃を行うのだ!!!」






「しかし、総理、今、核のボタンを押せば間違いなく、世界大戦になります。私は、この国の自衛隊の最高指揮官として、命をかけて阻止致します」






「フフン、第三次世界大戦の勃発か?面白い、やってみようじゃ無いか!」






「しかし、総理、もう一度言います。その命令には、この私は従えません」






「ならば、死ね」と、総理は、ピストルで、即、その自衛隊統合幕僚長を射殺した。






「それでは、ついでに、一言、冥土の土産に聞かせてやるよ……」








「第三次世界大戦じゃ無いんだよ。大惨事世界大戦を起こすのだよ!!!」








「ワ、ワハハ……」と、総理公邸に、狂人の哄笑は轟いた。 

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