第4話 ドM
「やーい!どMのM男くーん!」
「MMうるせーんだよ、お前のなまえー!」
「へんたーい!」
子供の頃、僕はいじめられていた。名前がM田M男(えむだえむお)だからだ。年頃で、性に対する知識も覚えたての子供からしたら、僕はいじめるには良い的だったのだろう。
そう。彼、M田M男は子供の頃いじめられていた。理由は彼の言った通り。
だが、高校に入学すると、いじめは止んだ。
むしろ、みんなから哀れみの目を向けられるようになったのだ。そんな名前だから。
でも彼は悩んでいた。周りの目にも。そして、自分の性癖にも。
そう、彼は、本当にドMだったのだ。
高校に入学してから、クラスメイト達にこう声をかけられる。
「えっと、M男くんだっけ?まぁ、色々めんどいことあるだろうけどさ、名前なんか気にせず楽しもうぜ!」
「M男くん...名前をつけたご両親のこと、恨まないであげて。素敵な名前よ!」
励ましだった。
良いクラスメイトに囲まれた、とM男は思った。
だが同時に罪悪感にもさいなまれた。
本当にMなのに、僕は...僕は...Mなのに。
彼はいつ本当の事をクラスメイトに打ち明けられるのか。いや、打ち明ける必要などあるのか。
次の話に続く。
異世界に転生したら全人類ふたなりだった ぬやみうたくひ @nuyamiutakuhi
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