第3話 処女
「なぁ乙乃」
「なによ静」
「一太...おそくね?」
「まぁ、普段なら遅刻しない一太にしては珍しいわね」
「なぁ乙乃」
「なによ静」
静の顔が暗くなる。それを察した乙乃は状況の最悪さも察した。
そして2人で走り出す。
どこだ。どこに一太がいる。
あ......。
静と乙乃の顔が怒りに染まった。
路地裏だ。大男達に押さえつけられている一太。
「「てめぇらあぁぁ!!!!!!」」
2人の拳が大男達の頬や腹に直撃する。
「俺らの...一太の処女を奪おうってか??そんなの...そんなの...」
「「許せるわけねえだろゴラァ!!」」
「一太の処女はこの私が奪うと決めているんだから!」
「いーや、一太の処女は俺のものだ!」
「だから...」
「「覚悟しやがれ!」」
それからはもう大乱闘。大男達との殴りあい蹴りあい。血が出ようが何だろうが2人は関係なく大男達を飛ばし続けた。
何十分経っただろうか。大男達はふらふらになりながら路地裏を去っていた。
「ふんっ、あいつらの処女、私が奪ってしまえば良かったかしら。」
「処女を奪われるのはいてぇからな。殴られるよりも最悪な気分にできるぜ。」
そして2人は一太の元に向かった。
「一太!おい!一太!」
「ねえ!一太!」
頬をピタピタと叩かれると、一太は目を覚ました。
「あれ?あの大男達は?」
「さあな。お前の処女膜が固すぎてどっか行っちまったんじゃねえの?」
「しっ、失礼な!」
「もう!一太ったら。処女膜があるなら私に言いなさい!私ならデロンデロンのテロンテロンに優しく解しながら処女卒業させてあげるわよ!」
「そ、そ、そんなことさせられるわけないだろう!乙乃は友達なんだから。」
「ととと友達だなんて!改めて言われるとちょっと照れるわね!」
「まあ、一太が無事で良かったぜ。痛いところとか、変なところとかないか?」
「あぁ、大丈夫。」
その言葉を聞いて、安心した一太の顔を見て、さらに安心する一太好きの2人。
そんな馬鹿力2人が一太に助けられるようになるのは、いつかのお話。
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