〜19章と最終章の最新話まで読み終わりました!
この物語は少年少女が攻撃してくる人を倒さなければ生きられないような世界で、その生態はあまりわかっていない乗り物に乗って最前線で死と隣り合わせになりながら、人の命とは、生きるとは何かを考えさせられる物語です。
主人公はどこにでもいるような、でもどこにもいない、唯一無二の少年。
彼は人が人を殺し合うこととは、生きるとは何かを問い続け、自分の弱い心に屈しながらも何度も何度も立ち上がり、時には彼に襲ってくる問題から逃げたりする人間らしい感情表現が素晴らしいと感じました。
この物語の真髄は自分が主人公のように戦争というものに巻き込まれた人のような感覚をもつことだと思います。
もし家族を失ったら?
もし愛する人を失ったら?
主人公を取り巻く多数の人物たちの誰かに自分の姿をみるのではないでしょうか。
最初の感想で「とにかく熱い!死ぬかもしれないのに、傷つくし、痛いかもしれないのに、守りたいもののために戦うことを決意する主人公にひかれてます」と書きましたが、最終章まで読んで、これは自分であって自分ではない乗り物を通して描かれたロボットファンタジー、激熱人間ドラマです。
長いように思えるかもしれないですが、この世界をよくコンパクトにまとめ上げたと思います。19章まで読んだからこそのこみ上げてくる感情がありますね。
半端ない想像力で描かれたキャラたちについても言いたいことは山程あるのですが、感想はこの辺にしておきます。
どのキャラも造形が豊かで浮かんできます。
最終章の最後、どういう結末であっても物語の主人公たちが出した結論を見届けるつもりで続きを楽しみにしています!
そしてタイトルの「ヴェンデッタ・ゼロ」の意味を読んで確かめてみてください!
まず最初に。私は本作の329話までを三日で一気読みしたことを示しておきます。これを見た方もなるべく一気読みすることを推奨します。
そもそも私はロボット系に一切触れて来なかった者です。それでも惹かれました。
まず、王道のアツさ。知らないのに知っている王道の展開、かつ、主人公が曇りながらも何度も立ち向かっていく。主人公に軸が通っているのも良いです。強くも弱い、優しくて脆い。強みも弱みもしっかり描けていて感服です……
さらにweb小説(特にラノベ)はあまり読まないのですが、先を読みたいと思わされる物語の構成。怒涛の展開がありながらもしっかり芯のある物語なので惑わないのがすごいところです、先を読む指が止まらなかったです。
やはり一気読みするからこそ得られるアツさもあって……読もうと思って正解でした。
それぞれのキャラクターも魅力的かつちゃんと"生きて"いて、単なる物語の舞台装置になっていない、逆にそれによってストーリーが疎かになっているわけでもない、というのはすごいと思います。
ちなみに私はブランくんが一番好きです。
ストーリーの鬱展開はめちゃくちゃ苦しいし辛いしかわいそうで不安にもなりますが、不思議と安心感がありますね。このキャラ死ぬんじゃなかろうかと邪推してしまったりもしますが、ケイくんの主人公らしさのおかげでここからでもいける……!!という気持ちになります。葛藤が何度も描かれて何度も立ち直るシーンがあるからこそ、きっとまた立ち上がれるだろうとこちらも思えるのだと思います。それがアツくて良い!!
そしてそもそも、情熱と愛情がものすごい。読んでいて確かに作品への愛情を感じました。長い間、長い文字数を走り抜ける、それがどれほど大変なものか私には想像もできませんが、その欠片を読ませていただいた者として本当に尊敬します。
三日でここまで読むことができたのはどう考えてもその『情熱』のおかげです。それと、各話にちゃんと引きがある。何度も言いますが次の話が気になる構成にされているのはすごいです。正直言って私はライトな方向の小説が苦手なのですが、それでもここまで不快感なく読み切れました。ちゃんとした一人称でありながらロボットのことも(無知な者でも何となくわかるくらいに)描写されつつ客観的描写もあり、非常に読みやすいです。
これがまだ続くの、期待しかないですね……楽しみです。普段は未完結作品にはレビューどころか星もつけないのですが、これは今この瞬間つけるしか、書くしかありませんでした。
キャッチコピー読んで面白そう、と思った人は、とりあえず本編読みましょう。
思わなかった人は、興味ないと思った人は一旦このレビューを読んでくれませんか?興味が沸くかもしれません。……といっても、魅力の一部しか、語れていないのですが。
こちら、まさにキャッチコピー通りの作品です。
ナニソレ?じゃないです、本当にその通りの作品です。
ロボに乗るファンタジー、ロボットファンタジーです。
ファンタジーなので、ロボが好きなわけじゃない私も楽しめます。
ロボなので、ファンタジーが好きなわけじゃない人も楽しめると思います。
どっちも好きじゃない人も多分楽しめます、読んでみよう!
まず純愛。
ヒロインが可愛らしくて、優しく主人公に寄り添ってくれる、とても魅力的な子です。
守られるだけじゃない、強さも兼ね備えた彼女は、主人公の心の支えになっているように見えます。
これは間違いなく愛!愛の芽!これからどんどん深まっていくのかなと、勝手に期待しています(笑)
次に熱血。
この作品を一言で表すと、「少年漫画!!」です。私はそう感じました。
まさに少年漫画のような泥臭さ(いい意味で)と熱を持った作品です。
努力して、足掻いていく主人公。
隣にいるのは、心強いヒロイン。他の人達。
熱量や心情がよく伝わってきて、ドキドキ、ワクワクして、応援したくなります。
そしてちょい鬱。
鬱、曇らせが好きな人、読みましょう。
……鬱嫌いな人、いますね?
鬱嫌で読むのやめてる人、います?
やめないでください。だってこれ、少年漫画ですもん。
辛い経験をして、痛みを知って、落ち込んで、悩む主人公。
見ていて辛いです。ケイくんー(泣)とか、助けに行ってあげたい……と何度思ったことか。
ですが、これは少年漫画です。
迷って、足掻いて、悩んで、悲しんだ先には――必ず、光があります。
辛い物語から目を背けるのではなく、主人公を見守ってあげてください。
ケイくんと一緒に、立ち向かってください。
曇天から晴天に、空が変わるように。
気持ちが晴れる時が、明るくなる時が、前を向ける時が、必ず来ますので。
ロボットファンタジーらしく、ドキドキとワクワクを与えてくれる。
それだけでなく、主人公の痛みや気持ちを通じて、勇気や希望を与えてくれる。私も頑張ろう、と思わせてくれる。
そんな、素敵な作品です。
あなたも読んで、一緒にケイくん達を応援しませんか?
映画の応援上映のように楽しく応援できて――読み終わる頃には、ケイくん達があなたのことを、応援してくれてますよ。
※現時点での最新話、「新王都防衛戦、開幕」までを読んでのレビューです。