テレビ関係者の場合

テレビでオカルト特集をしていると、たまにガチでヤバい事件.......例えば、霊と遭遇したり、心霊現象が起きたりすると、上の判断でお蔵入りすることがあるんです。


まぁ、それはあくまで、だった場合ですけどね。


.......そういうのに遭遇したのか?


えぇ、そうです。


ですから、今、あなたと話をしているのではないのですか?


......そうですね、アレは僕がまだ新人だった頃...とあるバラエティ番組で、ある町を取材しに行ったんです。


確か...........****っていう、田舎町だったはずです。


そもそも、そのバラエティ番組は、視聴者の疑問をトコトン調べる......という感じの番組で、とある視聴者から


「『サンクチュアリ』の元ネタとなった事件を調べてほしい」


という依頼が来たんですよ。


それで、一応『サンクチュアリ』のことを調べることになったんですが........そこで、僕達はアノコという存在にたどり着いたんです。


実のところ、僕がいたテレビ局では、前々から****には行くなという、暗黙の了解があったんです。


当時の僕.....いや、取材班は、その意味が分からなくて、結局、****に行くことにしたんです。


.......****に行ってみて、どうだったか?


まぁ、一言で言うなら.....普通の田舎町でしたよ。


でも、何というか、何かに見られている感じがしたんですよね。


それに、女性スタッフの人に向けて、町の人達から


「アノコに気に入られないように」


と言われたことは覚えています。


最初は、何のことかと思ったんですが......その言葉の通り、変な出来事が起こり始めたんです。


.......どんな出来事だったのか?


僕が覚えている範囲では、セーラー服を着た女の子を目撃したり、ペットボトルに入っていた飲み物が飴に変わっていたり...........あと、宿泊先の民宿で、女性スタッフの人達が金縛りに遭っていたりと、奇妙な出来事が頻発していたので、僕達は、本能にヤバいと思ったんです。


それで、一通り撮影を終えた後、東京に戻ったんですけど......映像を編集していた人から


「撮影した映像から妙な言葉が聞こえる」


という話を聞いた時は、ゾッとしましたね。


やっぱり、****には何かあるのだと、改めて理解しましたよ。


.......その言葉の内容、ですか?


確か


『わ、ワタ、シ、ハ、ぼ、ボボボ、ボク、ハ、こ、コココ、ここにいる、よ、ヨヨヨヨ』


とか


『お、カカカカ、さん』


とか


『ま、ママママママ』


とかいう音声が聞こえていたみたいで、その声を聞いた人は、当たり前ですが、本能的に恐怖を感じみたいです。


だけど......何というか、この音声には、どこか子供っぽい雰囲気があるような気がするんです。


それと.....音声の内容が、自分がここにいるという主張と、母親を呼ぶような感じがしたんです。


なので、最初はその映像をお蔵入りしようと思っていたのですが......あろうことか、その映像をオカルト番組に使おうという話が出てきたんです。


最初は、僕達もそのことに反対しました。


しかし......下っ端の意見を上が聞くはずもなく、結局、その映像はオカルト番組に使用されることになり、オカルト関連の専門家に観せることになったんです。


.......そのオカルト番組は放送されたのか?


いえ、結局放送されることはありませんでした。


そのオカルト番組の関係者曰く.....オカルト関連の専門家が突然苦しみ出したらしいんです。


そして、しばらくしてから大量の飴を吐き出した後、こう言ったんです。


「この映像を放映するな」


って.....


え?吐き出した飴は赤い飴と青い飴だったか?


あ、はい、そうでしたけど.....?


でも、まさか飴を吐き出すなんて思いませんでしたよ。


とにかく......あの光景を見た時、僕は、触れてはいけないものに触れてしまったような感覚になったんです。


何というか、人ではない何かが付いてきたような感じ.......ですかね?


.......そういえば、前にも赤い飴と青い飴を見たことがあるんですよね。


えっと....双子の女子高校生が線路に飛び降りた事件、とかだったはず。


けど、何故か双子の遺体は見つからなくて、その代わりに赤い飴と青い飴が線路内に散らばっていたとか。


.......あ!!思い出した!!


確か、線路に飛び降りた双子の女の子達は、20年前に起きた一家殺人事件の生存者だったはずです!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アノコノハナシ @marumarumarumori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ